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大阪府認可/専修学校/大阪

シュウセイケンセツセンモンガッコウ

新たな夢を胸に26歳で建築の世界へ。

米田 雅樹さん 2006年度入学
2006年 第2本科 建築学科 卒業
ヨネダ設計舎

現在、三重県で設計事務所を開設し、住宅や店舗などさまざまな建物を手がけています。今でこそ、こうして建築士としてがんばっていますが、ストレートにこの業界に進んだわけではありません。20代前半の頃は、職を転々としながらプロキックボクサーをめざしていました。仕事にトレーニングに、毎日必死に励んでいましたが、スポーツに年齢的な限界はつきもの。そこで、一生向き合っていける仕事に就こうと進路を模索していたある日、いろいろな職業を紹介している本で「建築士」の仕事を知り、ものづくりが好きな自分に向いているのではと興味を持ちました。それがきっかけとなって、いろいろと調べていく中で住宅の設計に惹かれていったんです。自分が手がけた家で、人々が幸せに暮らしていくことを想像すると、本当にワクワクしましたね。建築を本格的に学びたいと思う意志は、日に日に強まっていきましたが、私は所帯を持つ身。専門学校に通うのは、やはり勇気のいる決断で、入学まで踏み切れないでいました。でも、周りの理解があったことと、何より妻が背中を押してくれたので、思い切って修成の夜間部に入学。家族3人地元を離れ大阪へ。26歳にして、私の建築人生がはじまりました。


修成で学んでいた頃、学校から紹介してもらった設計事務所でアルバイトをしていました。その事務所でお世話になった所長には、今でも大変良くしていただいていて、「大阪の父親」と慕っています。本人の前では照れて言えませんが(笑)。建築士としてはもちろん、人としても大変尊敬できる方で、設計の技術だけでなく、仕事への姿勢など、日々たくさんのことを学ばせてもらいました。そんな学生時代から、卒業後もずっと密かに抱いていた目標は、「自分の家を建てるなら、所長に構造計算を依頼する」こと。その目標を追いかけ続け、2年前にようやく叶えることができました。それが、私たちの住まいであり、「ヨネダ設計舎」の事務所でもある「4+1HOUSE」です。
これがなかなか奇抜な建物なんです。家の中にアオダモを植え、木が育つための雨や日光を確保するために屋根と壁に大きな穴を開けました。所長に構造計算をお願いする際、設計図を見せたら爆笑していましたね(笑)。こんな家、他にないで!って(笑)。実際に、住んでみると嵐の日には廊下がびしょびしょになったりと、なにかと大変。でも、これがポイントなんです。高気密・高断熱の住宅が良しとされる風潮に反して、庭と室内が一体になった日本家屋の魅力に立ち返り、自然とともに生活をすることが「4+1HOUSE」のこだわりですからね。夏は風通しが良く涼しいですし、冬には雪が部屋のあかりを反射して美しい景色を見せてくれます。四季折々の魅力を感じながら、毎日楽しく暮らしていますよ。ちなみに、この家はテレビや雑誌などに取り上げられ、建築コンテストで受賞し、「米田雅樹」の名前をたくさんの人に知ってもらう作品となりました。尊敬する恩師と共同で自分の家を設計して、しかも賞までもらえたなんて、本当に喜ばしいことです。


これまでのキャリアで最も印象深いプロジェクトは、以前勤めていた工務店で手がけた居酒屋の設計。その居酒屋というのが友人の店ということもあって、建築士に私を指名してくれました。「自分の店」という人生を賭けた大舞台を、当時何の実績もなかった私に任せてくれたことを思うと、胸が熱くなりましたね。プロジェクトが動き出してからは、とにかくがむしゃら。自分がメインになって設計に携わるのは初めてだったこともあり、一筋縄でいくものではありませんでしたが、とにかく「期待に応えたい」、その一心で夢中でしたね。友人を含めプロジェクトに関わるたくさんの方々と何度も打ち合わせを重ね、修正を繰り返しながら、設計図をつくっていきました。竣工後、店のプレオープンに招いてもらった際、一国一城の主となった友人がカウンター越しに握手をしてくれた時は、涙が出るほど感激しました。いつも寡黙な彼が見せてくれたあの笑顔は一生忘れません。開店から4年経った今でも、お店がたくさんの人で賑わっているのを見ると、友人の夢に微力ながら貢献できたと誇らしい気持ちになりますね。


ショッピングセンターや病院を建てて暮らしを豊かにしたり、大きなビルや美しい住宅を設計して人々を感動させたり、この業界にはたくさんのやりがいがあります。そんな仕事に日々携わる中、私が最も魅力に感じていることは、建物は街や景観に残るだけでなく、人々の記憶にも残ることです。たとえば、みなさんが通っていた小学校を思い出す時、友だちと勉強していた教室、走って先生に叱られた廊下なども思い出の背景として一緒によみがえりますよね。その場所を離れても、たとえ取り壊されたとしても、心にずっと生き続ける。ここまで「ずっと残るもの」をつくられる仕事が他にあるでしょうか。これからこの世界に進む方には、そういった建築の深い部分にもやりがいを感じて、どんどんのめり込んで欲しいですね。そうすれば、きっとステキな建物をたくさん手がけられますから。
修成建設専門学校(専修学校/大阪)
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