航空機は機種ごとに整備できる資格が決まっており、私は入社3年目にボーイング737の一等航空運航整備士の国家資格を取得しました。日勤帯では、飛行機が空港に到着してから出発の間の限られた時間の中で点検・整備を行います。機体の不具合を見つけた時は、修復に必要な情報を収集し、迅速かつ的確に作業を行います。出発時間を遅らせることなく定時で飛行機を飛ばせた時は、とてもやりがいを感じます。夜間帯では、定期的に行うメンテナンスや、その日に発生した不具合の修復作業を行っています。航空整備士の仕事は奥が深く、これから経験する作業がまだまだたくさんあることに魅力を感じています。
私は高校卒業後の進路を決める時期に、将来やりたいことが決まっていませんでした。悩んでいた時に、高校の先輩が航空学校に進学したという話を聞き、航空専門学校について調べる中で航空整備士という仕事に興味を持ちました。また、地元の鹿児島空港で行われた中日本航空専門学校が主催のイベントに参加し、飛行機を間近で見て、その大きな飛行機の安全を整備士の手で作っていることに惹かれ、航空整備士を目指し始めました。中日本航空専門学校を選んだのは、航空業界への就職率が高く、日本でも数少ないANA・JALへのインターンシップ制度があったからです。実際、羽田空港の整備場でインターンシップを経験し、多くのことを学びました。
在学中は、主に航空整備士のライセンス取得に向けての勉強に取り組んでいました。飛行機がどのような原理で飛ぶのか、どのようにできているのかなど、まったくわからない状態からのスタートでしたが、航空業界の経験が豊富な先生方から丁寧に一から教えていただきました。時には現役時代の実体験をふまえて教えてくださることで、より理解が深まりました。また、学校内に小型飛行機やボーイング767のランディングギア等、設備や施設も充実していたので、実習で直接見て触って作業をすることで知識や技術が身に付きました。学生時代に学んだことがしっかり活きていることを実感しています。
ANAラインメンテナンステクニクス株式会社 中部整備部 整備3課/航空整備科 一等航空運航整備士コース(B767専攻)※現エアライン(ANA・JAL)整備士養成コース/2016年3月卒/就職して今までで嬉しかったことは、ボーイング737の一等航空運航整備士の国家資格を取得し、任される仕事の幅も広がり、それまでは先輩が行っていたシップリリース(点検終了の署名をしてパイロットに引き渡す)に、初めて自分で署名をした時。嬉しくて親に電話で報告したそうです。「航空機はそれぞれ状態も違うので、点検ごとに作業内容が変わります。決して飽きることはありません」と語る。現在、一等航空整備士の国家資格取得を目指して勉強中です。
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