住居や公共施設などの建築物は、その建物を利用する人の利便性や快適性を考慮するのはもちろん、周辺環境との調和や、地域社会への貢献なども考え併せて設計する必要があります。そのような思考法や、設計に必要な知識と技術を指導するために、私自身が実際に携わった事例を取り上げ、「設計を考えるプロセス」を解説。建築のプロになるための発想法や思考法、設計の手法などを指導しています。ひとくちに「建築」といっても幅広く、家具などのインテリアづくりや設計、工事、施工管理、地域開発まで様々な領域の仕事があります。そのなかのどんなことに興味があるかということは、一人ひとり異なるものです。学生が何に興味があるのかという“興味のタネ”を一緒に見つけ、それを育んで伸ばすことを重視した教育を行っています。
自分が手掛けた実例を挙げながら、設計するための思考法や、建築の技術などを指導しています
読売理工医療福祉専門学校は文京区小石川の再開発エリアに新校舎を建て、2020年4月に移転しました。当時のゼミナールでは、新校舎の内装デザインを考えるプロジェクトを実施。学生が数人でチームをつくり、「学生ラウンジ」「図書室」「自習室」の内装デザインをグループごとに考案して、学校にプレゼンテーションし、良い提案であれば、実際の建築に採用されるというプロジェクトでした。「ユニークなアイデアがたくさん出て、学生たちにとっても学びの多いものとなりました」
建築学科の9割は普通科出身の学生。建築や設計のごく基本的なことから、やさしく指導してもらえます
たくさんの経験を通して視野を広げてください。良い建築物や街をたくさん見る。幅広い文化や芸術にふれる……。そうした経験が、設計やデザインする際の「アイデアの引き出し」を増やすことにつながります。
「“建築の楽しさと奥深さ”を伝える授業を心がけています。興味がある人はぜひ見学に来てください」
専門/建築設計・都市計画
略歴/明治大学理工学部建築学科卒業。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。一級建築士。INA新建築研究所、アトリエ設計事務所を経て読売理工医療福祉専門学校の講師となる。現在は学科長に就任。小川貴之建築研究室を主宰。「建築をつくるには様々なスペシャリストとの連携が不可欠。そのため授業ではコミュニケーション力の養成にも力を入れ、グループワークの機会を豊富に設けています」
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