好きなことを見つめて選んだのがパティシエの道でした
働く上で大切にしているのは、最初に働いたお店のシェフから頂いた「なりたい気持ちがあれば絶対になれる」という魔法の言葉。今でもその言葉が私の胸の中にあり、いつもなりたい自分を目指しながらお菓子の仕事を続けてきました。コンクールへの挑戦もそのひとつ。この道に進んで13年目になりますが、特に印象的なのは「第25回ルクサンド グラン プレミオ(2018年)」での優勝経験。シェフからのアドバイスで「誰が見ても分かりやすく、ストーリー性をかき立てる作品」を心掛けて製作。「人とは違うものを創らないといけない」という想いから何度も作り直し、勝つためにギリギリまで粘り努力した結果、納得がいく作品を仕上げることが出来ました。
パティシエの世界的なコンクールではなかなか日本人は勝てないと言われていますが、洋菓子の本場、フランス人は常に結果を出しています。フランス人の発想力の強さや伝統菓子にふれてみたかったことと、海外生活に興味があったこともあり2015年に渡仏。リヨンで人気のお菓子屋店で1年間、腕を磨きました。実際に働いてみると、フランス人の豊かな感性に刺激を受けつつも、日本人の方が作業が丁寧でケーキの仕上がりも綺麗だと実感。私は日本でキャリアを積みたいと思い帰国しました。今は日本屈指のパティシエといわれる徳永シェフの元で、作業の早さや飾り付けのセンス等を間近で見て学ぶことが出来、職人として充実した時間を過ごしています。
在学中の思い出といえば新入生が経験する2泊3日の伝統行事「御殿場研修」。大きな声で挨拶の練習をしたり、山登りをしたりと大変でしたが、だから今でも記憶に残っています。社会人としての基礎と仲間同士が助け合うチームワークの大切さを学ぶことが出来ました。恐らく武蔵野調理師専門学校でしか経験出来ない特別な時間なので、後輩を見かけると「あの研修を乗り越えてきた」という連帯感があります。先生方も親身で優しく、放課後の自主練習やコンクールへの挑戦など、やりたいことは全部させて貰える環境でした。最初の就職先も先生の紹介で、そのご縁がなかったらパティシエとして働いている今の自分はいないので、とても感謝しています。
株式会社ベストホスピタリティーネットワーク 所属、ホテル インターコンチネンタル 東京ベイ 勤務/ダブルスイーツ科/現:高度調理製菓科/2007年卒/パティスリータダシヤナギ、リリエンベルグを経て2015年に渡仏。洋菓子の本場フランスのリヨンで1年間、言葉が通じない環境でパティシエとしての腕と感性を磨く。2016年に帰国し、株式会社ベストホスピタリティーネットワークに入社。現在の職場、ホテル インターコンチネンタル 東京ベイに勤務。2018年には「第25回ルクサルド グラン プレミオ」で優勝。その後もコンクールに積極的にチャレンジしている。パティシエの道を志して13年目、「なりたい自分になる」という初心のままに彼女の挑戦は続く。
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