社会にはいろいろなタイプの人がいることを頭では理解していますが、特性を理解し受け入れているかというと、そうではありません。私は授業を通して自分と異なる価値観を受け入れる度量を持って欲しいと思っています。なぜなら、理解と受容は心理支援職に求められる資質だからです。そのために、知識と理解を深め、事例検討などのディスカッションを行い価値観を交換しています。例えば、障がいを持つ方の支援を考えた時に「手助けが多く必要」という人もいれば「自力をつけることが大切」という人もいます。自分と異なる考えや価値観に出合った時に拒否するのではなく「そういう考え方もあるんだ」と理解し受け入れることも必要です。こうしたディスカッションの場を多く重ねることが、様々な人を受け入れる度量を作ることに繋がると考えています。
いくつもの事例を提示し、みんなの価値観を出し合える環境を多く作りだしています
平見先生が担当する「心理学研究演習II」という授業では、グループに分かれて自由にテーマを設定して研究をします。例えば、あるグループは「人の印象について」を研究。どのような態度(笑顔などの表情、話す速度など)が好印象、悪印象になるのかを話し合い、アンケートを作成、実施して処理分析をします。「とれたデータをどのように学生たちが分析・考察するか非常に楽しみです」と平見先生。心理学の理論を出すまでのプロセスを知ってほしいということを目的とした授業では、毎回、学生たちの活発な意見交換がされています。
グループディスカッションでは各グループを回り、問いかけをしながら学生に発言を促している
心理学=カウンセリングだけではありません。心理学の知識は私たちを少しだけ豊かにしてくれます。自分の考えを伝え、他人の考えを聞き、新たな考えを生み出していく。本校のそんな学びこそ、力になると思います!
「学生には、働く場所や地域に貢献できる広い視野を持った社会人になってほしいと期待しています」
専門科目:発達心理学、障害児・者心理学
大学の頃より、ボランティアで発達障害児とその保護者と関わる活動を通して、発達障害コミュニケーションについて関心を持つようになる。また、大学院では、非言語コミュニケーションについて研究を行っていた。
※この画面の情報は、すべて取材した時点でのものになります。