ホテルで15年間修業してさまざまな分野の基礎を身につけたのち、専門学校の講師に。自分自身が専門学校生だった頃から「先生になりたい」という思いがあったのですが、当時は「講師の助手に」というお誘いをお断りして、ホテルに就職しました。先生になるためにはまず若いうちに現場でどんどん動いて、経験を積んでからでなければ…と思っていたからです。最近では製菓・製パンの業界は人気で、マスコミに取り上げられることも増えました。ただ、華やかなだけの世界ではないので、生徒たちが社会に出たときにギャップや違和感を覚えず済むよう、自分の現場での体験を活かして、実際の苦労や生の最新情報などをできるだけ伝えたいと思っています。お菓子やパンの世界は奥深くて面白いもの。そのワクワク感が伝えられるような授業を心がけています。
授業は教師と生徒の距離が近く、和気あいあいです。現場で見てきたことをありのままに伝えたいです
「製菓実習」と「製菓理論」の両方を教えている菅谷先生は「学校一優しい」と生徒にも人気。実習は、生徒が自分たちで考えたメニューを作って発表するなど楽しい雰囲気。コーヒーの淹れ方を学んだりメニューのデザインを手がけたりするカフェ実習やラッピング実習は、それぞれ資格につながるうえ、「お店の空間プロデュースに将来役立つはず。視野を広げておくことが大事です」と菅谷先生。また理論で教わった内容を、実習を通しておさらいしてもらえる場面も。これは、どちらも菅谷先生に教われる大きなメリット。小規模校ならではだ。
かつて短期留学していたスイスは理論重視。その経験を生かした授業では、生徒たちがさかんに質問します
卵はなぜ固まるのか、動物性と植物性の生クリームの違いは何か、という製菓理論を、この学校なら実習と連動して多角的に学ぶことができます。大変なことも多いですが、お菓子を好きな気持ちがあれば大丈夫です!
学校に入学した当初はパティシエという職業も知らなかったと菅谷先生。「学びが選択肢を広げてくれます」
略歴:日本料理を志して調理師専門学校に入学。その際学んだ授業が面白かったことから製菓に興味を持つ。またその学校で指導する先生を見て教職に憧れるように。現場での経験を積むため、プリンスホテルで15年間修業。分担が細分化されているホテルにおいて、宴会部門(その間アイスクリームも担当)、焼き物担当、仕上げ担当、ホテル内のレストラン勤務など、さまざまな持ち場でパティシエとしての技を磨いたのち、講師に転身。
※この画面の情報は、すべて取材した時点でのものになります。