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ヨーロッパの中世観はどのように作られたのか

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開催日時
  • 2023年
    5月
    22日
    (月)
    18:30~20:00
申込URL:https://www.ou.tmu.ac.jp/web/course/detail/2311Z008/

あなたはいわゆる「歴史好き」ですか?歴史をテーマにした講座には、「歴史好き」の人が多く集まります。しかし、この講座は一味も二味も違っていて、そもそもなぜ人は過去の特定の時代を好きに(嫌いに)なってしまうのか、という根源的な問題を、歴史観というものを通して一緒に考えます。そのため、どうも歴史が好きになれない、歴史をうまく理解できない、という方にもおすすめできる講座です。
ヨーロッパの歴史観を問題にするとき、もっとも「目星のつけづらい時代」は中世だと断言できるでしょう。まずは輝かしい古代文化があって、それをルネサンスが継承して、と理解していくと、その間に挟まれた中世の千年間を積極的に定義づけることがどうしても難しくなります。そのため、シンデレラ城のモデルとなったあのノイシュヴァンシュタイン城も、ナンセンスの代名詞である鳥マスクをつけたあのペスト医師も、中世のものだと説明されるとこれを自然に受け入れてしまいます。ここには「歴史観の混乱状態」が見られ、これを解きほぐさないと正確な歴史理解は得られません。そこで本講座では、ヨーロッパの中世観の成り立ちについてじっくり検討し、そこからなぜ中世フィクションが生まれやすいのか議論したいと思います。
一方、中世観は現代を生きる私たちにとって大変アクチュアルな問題になっていることも忘れてはなりません。なぜアメリカのトランプ支持者にはヨーロッパの中世を理想郷と考える人たちが多いのか。なぜ十字軍兵士の格好をしたイングランド・サポーターがカタールのワールドカップに押しかけたのか。なぜ小説や漫画で「異世界転生モノ」など中世ファンタジーが粗製濫造されるのか。本講座では、中世観を通して見られる現代の政治や社会のありようについても考えます。
 大貫俊夫(東京都立大学人文社会学部 准教授)

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