浅見先生に、在校生の作品を通じて、授業で身につくことを解説していただきました。浅見先生の指導方針は、陶芸の知識や技術の習得を通じて、大学卒業後の方向性を見定める機会を与えることです。
上絵付技法を駆使して昆虫を色彩豊かに、実際の質感に近づけて描いています。周りのデザインとして、それぞれの昆虫の生息地域の伝統模様を描いているところがユニークで面白い。このような動植物やオリジナルデザインの上絵付の技術力の進歩が目を見張るほどです。京都はもちろん、地方の公募展出品にも意欲的に取り組み、入選を果たしています。
修得した絵付け技術を発揮するために、高度な技術が必要な香炉に挑戦した作品です。水彩画のような発色をする洋絵の具を使い優しい印象になるように描き、最終段階では金の輪郭でなぞることで上品に仕上がり、鑑賞者がじっくり見入る作品になっています。京都の美術系大学・専門学校の学生が出品する公募展において、一般来場者による投票で2年連続最優秀賞に輝いたことは大きな自信になるはずです。
本人の空への強い思いを茶器という形で表現した作品です。伝統的なデザインにとらわれず、湯呑みの雲の模様は泥で描き、青磁釉を用いることで緊張感のある表現になっています。反復練習により複雑なろくろ成形技術を習得したり、素材を知ったうえで焼成テストで安定した釉薬を得るためのノウハウを習得したり、努力を惜しみませんでした。また、表現力を向上させるために、企業とのコラボレーションにも積極的に挑戦していました。
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