フランス料理では調理に砂糖を使うことは稀ですが、日本料理では煮物などに使われることが多いため、食後のデザートは甘味を抑えて食事全体の調和を図るという考え方があります。また、ある方から「もう少し食べたいと思わせることも大切だよ」と言われたこともあります。一口に、デザート、ケーキと言っても、お客様の受け止め方はさまざまですので、極めることが難しいのがパティシエの道なのかもしれません。しかし、クセが強いブルーチーズを使ったケーキを考案した時に「私はチーズが苦手なのですが、このケーキはおいしかった!」とお客様からお褒めいただき、心の中で大喜びするという経験もしてきました。だからこそ、学生たちにはお客さまに衝撃や感動をお届けし、自分も喜びを感じられるパティシエに育ってほしいと強く思っています。
「食材の産地や温度のわずかな違いが影響するため、レシピ通りに作っても、毎回、同じようには作れません」という畠中先生。夏と冬では鶏が食べるエサの量も変化して、それは卵の質にも影響するそうだ。従って、計量や配合に関する正確な知識と理解を前提としながらも、言葉にできない「感覚」を研ぎ澄ます必要があり、そのための有効な方法が毎日の実習だ。たくさんの経験を通して温度管理や配合のタイミングを学ぶとともに、例えばクッキーの生地の状態や変化を感じ取れるように自分を鍛えていく。「その努力は、将来、必ず報われます」
努力を重ねた経験は不思議と“味の違い”になって現れるものです。YAMANOTEの「毎日実習」は、製菓の基礎をしっかり身につけるとともに「楽しく作る」「謙虚に努力する」ための場です。皆さんの入学を待っています!
専門:製菓
「ハイアットリージェンシー大阪」「ウェディングリゾート ラヴィマーナ神戸」などでパティシエとして活躍していた畠中先生。数々の洋菓子店やウェディング施設の立ち上げにも携わってきたプロデュース力を生かした授業が特色。2011年、大阪調理製菓専門学校の講師に就任し、2019年からは東京で指導にあたっている。スキューバダイビングなどのマリン・スポーツやオートバイ、畑での土いじりが好きなアウトドア派だ。