東大生のママが語るお金事情―国公立でも意外にかかる出費って?

国公立大に進学できれば授業料は53万5800円(初年度は入学金含めて約82万円)。確かに授業料だけみると私立大と比べて格段に安いが「授業料だけを準備すればなんとかなる」という考えには落とし穴がある!表面には見えてきにくい、学校納付金以外のお金が結構かかるのだ。

 

大学は授業料のほかにも、教科書代やサークル活動費、ゼミに入ればゼミ合宿代などさまざまな費用がかかる。さらに、理系の場合は選択する学科によって、白衣や実験用眼鏡、製図用品など、個人で用意しなければいけないものも多い。

 

大学の教科書は、高校生のように全授業必ず購入しないといけないわけではない。大学によっては教科書をわざわざ購入しなくても、必要な場合はその箇所のみコピーをとるとか、先生からコピーが配付される場合も多い。しかしながら、教科書の代わりに先生の本ありきで授業が進むことも多々あるのだ。例えば東京大学の場合、先生方が書籍を自ら出版されている場合が多い。しかもその本が非常に高価で、一冊5000円から、専門課程に至っては2~3万円というものもまれではない。これを半期ごとに何冊も購入していくので、合計すると大きな負担となる。教科書代として年間10万円近くも準備が必要な学部・学科もある。

 

一方、実習&研究費や学業内のサークル活動費も無視できない。

 

東京大学は北海道から九州まで全国に研究施設がある。理学部で天文学や地球環境を専攻すれば、観測や実習で長野や静岡に出かけたり、農学部では遠方の農場や牧場まで行ったりすることも珍しくない。その場合の交通費を負担するケースもある。

 

また、サークルといえども学業との関係が深く、将来のキャリアにつながる活動もある。例えば東大法学部では「法律相談所」というサークルがあり、司法試験の合格を目指して一生懸命に勉強をしている学生が、一般の方からの相談を無償で受けている。日頃からそのための勉強会や合宿に参加したり、他大学との定例勉強会で地方へ出かけ、年間5~10万円ほどかかることも珍しくない。

 

このように国公立大学といえども、将来を見据えてしっかり勉強をしようと思えば、そのための「教育費」はかかってしまうということ。実りある大学生活を送るためにも、こうしたあまり知られていない出費があるという意識をもって予備費を準備しておくことが大切である。