仲間とお互いを高め合う「ピア効果」。大学受験への応用法は?

「ピア効果」とは、仲間と共感し合うことでより高い能力が引き出される効果を指す。

 

例えば、偏差値上位校などで意欲が高い仲間と一緒に勉強すると、お互いに刺激し合うことで、高い学習効果が得られるといったピア効果が現実に報告されている。最近、中学受験、高校受験の学校選びなどに際して注目されているキーワードの一つだ。

 

では、高校生にはどんな応用ができるのだろうか?今から自分より勉強ができる仲間をつくったほうがいい?ピア効果に詳しい森上教育研究所の森上展安さんに話を聞いた。

 

「必ずしも成績が優秀な仲間と一緒でなければいけないわけではありません。大事なのは同じ目的をもっていること。そしてお互いが刺激し合える環境で学ぶこともポイントです。アメリカのある大学では、ヒスパニック系学生の数学の成績が悪く、補習を繰り返しても効果がありませんでした。
しかし、ラウンジでお互いに教え合うスタイルで学ばせたところ、ワイワイ楽しそうに勉強しながら全体の成績が伸びたという報告があります。これなどはまさにピア効果の典型例ですね」

 

教室で黙々と勉強するより、ワイワイやりながら勉強するほうが成績が伸びるというのは意外な話だが、この「お互いに教え合う学び方」が共感し合う力を引き出したわけだ。これは受験勉強にも応用できそう。例えば、仲間と集まって勉強会を開くというのも一案だろう。また、森上さんはこんな指摘も。

 

「愛知県の海陽高校という全寮制の高校が初年度から13人の東大合格者を出しましたが、寝食をともにすることでピア効果はより高まります。何かをともに体験する、特殊な環境に身を置くというのも重要なポイントです」

 

ということなら、合宿なども効果がありそうだ。ただし、ピア効果には、「よい共感」もあれば「悪い共感」もあるので要注意。目的がしっかり共有できていないと、「悪い共感」が増幅される恐れも…。そして森上さんは最後にこんなアドバイスもしてくれた。

 

「ピア効果のためだけに仲間をみつけるというのは本末転倒。本当に大事なのはお互いを高め合っていける仲間ができること。人間関係は受験の後も続いていくものですからね」

 

ともに成長した経験は仲間の絆も強くする。つまり、大学受験のようなチャレンジの機会は長く付き合える仲間づくりのチャンスでもあるのだ。