パソコンやスマートフォン、自動車など電子部品の土台となる基板の研究・開発に携わっている大前 宏美さん。前例のないものを研究・開発するために欠かせないこと、そして研究・開発の魅力についてお聞きしました。
研究・開発は常に未知の領域に挑戦するため、求めている結果がいつも得られるわけではありません。でも、あきらめずに挑戦できるのは大学時代の経験があるからです。何週間もかかる実験で、思うような結果がでなくてもあきらめずに取り組むことで、原因究明を行う粘り強さやみんなで協力して実験を成功させるチームワークの大切さを知ることができました。様々な専門分野の方と協力する現在の仕事でとても重要なことだと思います。
在学中、実験でたくさん失敗しましたが、先生や研究室の仲間にアドバイスをもらうことで、新しい考え方を知ることができました。その積み重ねを通して、より確かな知識が身につきました。だから失敗はネガティブなことではなく、成功への通過点だと考えています。就職して携わった製品の信頼性が基準に届かないことがありました。でも、こうした経験があったからこそ、あきらめずに課題をクリアすることができたのだと思います。
私たちの身の回りにある電子機器には、動作を制御する基板が欠かせません。そして基板の小型化、5Gなどの高速通信に対応した信頼性が求められています。こうした前例のないものの精度を高めることはとても難しいことですが、常に一歩先の要望に応えられるように挑戦し続けたいと思います。そして、これからも自分が手掛けたものが多くの方に喜んでいただけるよう、研究・開発の仕事を突き詰めていきます。
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