日々の暮らしの中で光を意識することが大切です
現在は音楽番組の照明を担当することが多く、『CDTVライブ!ライブ!』にもライティング・デザイナーとして携わっています。見せたいものに光を当てるのが照明の仕事の基本ですが、どの照明を使うのか、どこから当てるのか、何色で当てるのか。それに加え、背景に使うLEDビジョンやCGといった画面上の光るものすべてをコーディネートしています。場合によってはCGの中身について意見を言うことも。『CDTVライブ!ライブ!』では演出家やアーティストからのリクエストに応えるだけではなく、「こういう世界観がいいのでは?」とこちらから提案することもあります。
高校2年生のとき、あるバンドの昼と夜2公演のライブを見に行きました。セットリストは同じなのに夜のほうが断然よかった。違いは何だろう? 照明だ。照明ってすごい!って思ったのがキッカケです。在学中にテレビスタジオでアルバイトをはじめて、画面内での表現の楽しさを知りました。バイト先にあった照明機材が学校のスタジオにもあって、見たことを見よう見まねで学校のスタジオでやりながら機材の使い方を覚えて。東放学園に通った2年間は照明漬けでしたね。
『第63回輝く!日本レコード大賞』を担当させていただき、第41回日本照明家協会賞の大賞・文部科学大臣賞を受賞させていただきました。幅広い層の視聴者が見やすい照明を受け継ぎつつ、多様な光のグラデーションや光で曲線を表現するといった新しい演出を取り入れています。今後は、照明という立ち位置で、バーチャル空間をデザインしていきたいです。バーチャルな世界をよりリアルに見せるには、影の付け方、色の乗せ方など、照明のノウハウが絶対に必要です。常に5年後の照明の世界に対して提案し続けたいですね。
(株)TBSアクト 勤務/照明クリエイティブ科/2004年卒/TBS系『CDTVライブ!ライブ!』、TBS系『音楽の日』、TBS系『第63回輝く!日本レコード大賞』など主に音楽番組を担当。
※この画面の情報は、すべて取材した時点でのものになります。