お客様の笑顔を身近で見られるのがレストラン経営の一番の魅力だと思います。また、フランス料理というのは調理の枠を広げていくことができるジャンル。良いものは良いと認める一方、伝統にしばられることなく、使う食材や調理法など、常に新しいものや方法を取り入れていくこともできます。それだけ可能性があるジャンルと言えるのではないでしょうか。調理師は気持ち次第で上達を目指すことができる職業です。一生やりがいが続くことに加え、フランス料理は試行錯誤、創意工夫が活きるので、より楽しく働けるジャンルだと思います。
「調理師になりたい!」と考えたのはフランス料理の美しさに魅了されたのと、プロの料理人のかっこ良さに憧れたからです。名古屋調理師専門学校は「調理の名門校」としてその名を知っていました。名古屋調理師専門学校への進学を決めたのは名門校ならではの学びが得られると考えたからです。独立して自分のお店を持ってからも、名調の座学で学んだことが活きていると感じることは多いです。フランス料理について学んだことはもちろん、和食、中華、イタリア料理、製菓など、いろいろなジャンルについて学んだ知識全てが活きています。ちなみに妻も名調の卒業生です。
名調のOB・OGの方々は幅広く飲食業で活躍されており、東海地区の飲食業の中で「重鎮」と呼ばれる方も多くいらっしゃいます。それも名調が「調理の名門校」と呼ばれる所以です。先生方が様々なサポートをしてくださったことや、学生一人ひとりの強みを伸ばす教育を心がけてくださっていたことも今になって考えると良かったと思います。また、学生はみな同じ目標を持っているため、高いモチベーションを維持して学ぶこともできました。この環境の中で学んだからこそ現在の自分があるのだと考えています。
元々の才能も大事かもしれませんが、私は個性や特徴、得意なことなど、自分の良い面を理解し、その部分をとことん磨き、伸ばしていく意欲が料理に対するセンスを向上させていくのではと考えています。調理師を目指すみなさんには「自分は何が得意なのか」を常に考え、その部分を意識して磨いていってほしいと思います。そして、「とにかく調理師になるんだ!」という夢を諦めず、頑張ってください。私も今まで通り、素材の味、食感、香りを大切に、さらに華やかで独創的なフランス料理を生み出していきたいと思います。
レストラン シュバル ブラン経営/調理師本科/1998年卒/2013年5月、自分のフランス料理店「RESTAURANT CHEVAL BLANC」(レストラン シュバル ブラン)を愛知県春日井市にオープン。素材の持ち味を最大限に表現することをコンセプトに料理作りに取り組んでいる。