昨今、いじめや不登校、学級崩壊など、教育の現場で起こる深刻なニュースが目立つようになりました。また、子どもを取り巻く環境は、一昔前に比べて大きく変化しています。例えば、国際化が進む影響により、外国籍の子どもがクラスに増えたり、ITの発展により、友人同士でのコミュニケーションの方法が多様化したり、ほかにもさまざまなことが挙げられます。教育現場も大きく変わっていく時代だからこそ、私たち教育者は、今まで以上に子どもたちが安心して学びに取り組める環境を作っていかなければなりません。そのためには、子ども理解をどう深めるかを常に意識しながら、子どもの自尊感情やソーシャルスキルを育て、学級集団作りを進める必要があります。「人権教育」は、そういったノウハウを身につけるためにも有用な学問なのです。
ゼミでは、教育上の課題解決にむけて文献を読み、各自が作成したレポートに基づいたディスカッションを通して人権教育の視点から学級・学校のあり方について考えます。さらに現職教員の教育実践研究会や、地域の子どもたちが楽しめるキッズオープンキャンパス・大学祭への参加、小学校への学校ボランティアなど、実践力を高める取り組みも行っています。「学生には、何事も一所懸命に挑戦してほしい。ゼミでは、相手の話を聞くこと、話を受けて考えること、考えたことを人に伝えることすべてに真摯な姿勢で臨むよう指導しています」。
親和は、さまざまなボランティア活動や子どもと触れ合える取り組みが充実しています。いろんな経験を重ねることで、自然と自信がつくはず。子どもから信頼される先生をめざして、一緒に頑張りましょう!
大阪女子大学大学院 文学研究科 社会人間学専攻を修了、府立高等学校の家庭科教諭、大阪府教育委員会指導主事・主任指導主事・首席指導主事、大阪府立松原高等学校校長、大阪府教育委員会教育振興室副理事を経て神戸親和女子大学教授に。臨床心理士として日本心理臨床学会に所属し、大阪府臨床心理士会教育部会運営委員も務める。学生による長田識字ボランティアの指導・支援も担当。2021年より神戸親和女子大学副学長。