「ことば」に遅れのある子どもたちの中で、特に口唇口蓋裂の言語発達について関心を寄せています。口唇口蓋裂は、難聴や発達などの問題がなければ、適切な時期に適切な治療を受けることで、正常なことばを獲得することができます。しかし、検査において明らかな問題がないにも関わらず、ことばがなかなか増えず、就学後に学習面での問題がみられる子どもがいます。そうした子どもたちの遅れの要因を、状態や疾患の有無など様々な角度から比較・検討することで、提言へつなげていきたいと考えています。口唇口蓋裂の治療は、乳児期から成人するまでの長期にわたるもの。疾患に対する理解と、治療への自覚がとても大切です。当事者の自己認識の実態を明らかにし、支援策にも取り組んでいきたいです。
幼児がよく知っている絵カードを用いて、発音の検査や訓練を実施。発達面の評価も行います
発声発語障害の中でも、小児にみられる機能性・器質性(口唇口蓋裂)の「構音障害」をはじめ、「言語発達障害」「言語発達障害演習」など、小児の言語領域全般を担当する三村先生。授業においては子どもに対する様々なアプローチの方法や、発達に応じた関わりについて指導を行っています。3年次に行われる実習では、臨床を見学する機会を設け、検査の選択・実施とその解釈、訓練を行うことで学生の実践力を培います。同時に、臨床に取り組む言語聴覚士の姿を見ることで、理論と臨床を結びつけることを狙いとした教育に取り組んでいます。
国家試験対策は授業とゼミの両方で実施。ゼミでは、学生同士での学び合いによる理解を重視しています
日常生活の中で興味や関心をもち、よく観察する習慣をつけましょう。自分自身が見え、相手の立場で物事を考えることができるようになります。やさしさと思いやりをもち、人に寄り添えるセラピストをめざしましょう。
発達障がいの子どもたちのキャンプなどのボランティア活動にも参加。子どもたちの笑顔を愛する三村先生です
専門分野/言語発達障害、小児構音障害
略歴/愛媛大学教育学部特殊教育特別専攻科(言語障害教育専攻)修了後、言語聴覚士として川崎医科大学附属病院で経験を積む。後進の育成に携わる現在も、同病院で臨床に取り組んでいる。倉敷市障がい児保育アドバイザー、言語障害通級指導教室担当者研修などを実施。講師。
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