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小論文の解答例&解説
解答例
 「KY」はその場の雰囲気に合わない人、乱す人に対して使われる。「KY」という言葉の使用および概念の浸透は、日本社会を成熟化させることを妨げる可能性があると考える。
 「KY」には、話の流れや気持ちを察して欲しい、「KY」にならないように相手に同調すべきだというメッセージが含まれている。たしかに、「KY」という言葉によってコミュニティ内の仲間意識を高めているともいえる。しかし、物事の正しさを自らの力で判断することを避け、場の雰囲気に合わせて行動することを強いる言葉でもある。むしろ、思考を停止させる要因となるし、批判する力も育たず、意図を互いに共有し合うことを避けることにもつながる。
 このように、「KY」という言葉の使用は、集団に所属する者の社会的意識や能力を低下させることにつながる恐れがある。ゆえに、教育現場でのディベート導入等、身近なコミュニティ内において、批評や対話を習慣づける試みが必要だ。
解説
POINT
段落構成はすっきりと!
段落ごとに役割を持たせて、上手に文章を展開しよう。この解答例では、第1段落で設問に対する意見、第2段落で理由説明、最終段落で意見がまとめられている。このように、「意見-理由説明-意見」と段落を割り振る構成を、双括型という。
POINT
意見はハッキリ!
この課題が出されると、「KY」がよいか悪いかといった意見を述べがち。それも悪くはないが、この解答例では「KY」を社会問題として捉え、どう問題なのかを意見としてはっきりと示している。また、第3段落で、この問題をどう解決すべきか、具体的な提案まで意見として盛り込んでいる。真っ正面から真剣に課題に取り組んでいることがわかる答案である。
POINT
理由説明はしっかり!
この解答例では、第2段落において、第1段落で述べた自分の意見の正しさをしっかり説明できている。しかも、その説明が「KY」の持つ良い点ばかりでなく、悪い点まで注目し、広い視野に基づいて行われている。こうした設問の答案では身近な体験を挙げただけで安直に良し悪しを判断する答案が多くなりがちだが、この解答例では「KY」がコミュニティ内でどう問題化するのかまで掘り下げて思考しようとしている点がよい。
 
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