【情報・データサイエンス・IT系学部】合格者の志望理由書を公開!NG例・プロの解説付き
IT化は、社会全体で進む非常に大きなテーマ。だからこそ、「自分ならではの切り口」を見つけることが重要になる。
合格者は、どのようにその切り口を見つけ、志望理由書へと落とし込んでいたのか、実例を見てみよう。
さらに説得力を高めるには、リサーチを重ねたうえで、問題の本質を的確に捉える必要がある。
先生の解説から、志望理由書に求められる視点や構成の考え方を身につけよう。
目次
合格した先輩の志望理由書①
私立大学 IT総合学部 学校推薦型選抜(指定校)合格者
志望理由書
※下線をタップすると先生の解説に遷移します
私は、ビジネスとITの両方を体系立てて学ぶことに強い関心を持っています。
現代社会では、ITの活用が競争力の源泉となっており、ビジネス戦略とIT技術の融合がますます重要になっています。
そのため、貴学入学後はビジネスの基本的な理論や実務スキルに加え、ITの最新技術を包括的に学び、それらを効果的に組み合わせる能力を身につけたいと考えています。
具体的には、IT総合学部の専門応用科目にあるデータベース論や、統計解析とデータマイニング、eコマース実践論、ビジネスモデル構築論などの科目に興味を持っています。特に、○○○○教授のビジネスモデル構築論に強い関心を抱いており、様々なビジネスモデルの分析を通じて得た知識を活用し、新規事業の構想を試みたいと考えています。
そしてこれらの実践的な学びを活かして、持続的な競争優位性を築くための経営戦略を立案し、企業の成長に大きく貢献できる人材になりたいと考えています。
先生の解説
ここからは、志望理由書指導のプロ・小柴大輔先生に、上の志望理由書の「よいところ」を解説していただき、「よりよくするための視点」をアドバイスしていただこう。
◎はVery Good、○はGood、△は修正するとよりよくなるポイントだ。
※本解説はスタディサプリ進路の講師が、志望理由書のよい点とその理由を解説したものであり、合否の判断基準を示すものではありません
教えてくれるのは
小柴大輔先生
Z会東大進学教室や巣鴨にある大学受験塾ワークショップで講師を務めるほか、ロースクール(法科大学院)や司法試験受験の予備校においても一般教養小論文を指導している。
感覚ではなく論理的に答えを導く指導に定評があり、「現代文に対するイメージが変わった」と受験生から圧倒的な支持を集めている。
スタディサプリでは、現代文のほか、小論文や総合型選抜・学校推薦型選抜対策講座を担当。
○△①冒頭で言いたいことをうまくまとめていて Good!
冒頭の3文で志望理由の核心部分がうまくまとめられており、この点はGood。
「ビジネス戦略とIT技術の融合」は大学の教育の特色ともマッチしているのでアピールする要素だ。
よくまとまっているのですが、この内容だと、ほかの多くの受験生と記述内容が重なってしまう恐れがあります。
さらに工夫するなら「自分自身がどのようなビジネスに関心があるのか」といったことに言及すると、オリジナリティーを出すことができます。
○△②具体的な科目と自分の目標を結びつけて書いているのはGood!
単にパンフレットに載っている科目名を羅列するだけだとアピール度は弱いが、このように特定の教授名・科目名を挙げて、そこで学んだことをどのように活かしたいか、自分の目標と結びつけて書くことができれば、志望理由書のストーリーに説得力が加わる。
ここまで書けているなら、できれば具体的にどのような新規ビジネスを考えているのかまで言及できると、なおよくなります。
「今の段階では具体的には思い浮かんでいない」ということなら、この機会にじっくり考えてみましょう。
事業アイデアを考えることを楽しいと感じるなら、この分野の学びに適性があるということ。
そして、実際に考えることで、自分が現段階で理解できていないこと、学ぶべきこともクリアになってきます。
これらは志望理由書にも活かせる要素です。
また、現段階では甘い事業アイデアだったとしても、それを書くことで、「学んだことを新規事業に発展させたい」という意欲はしっかり伝わります。
もちろん、この段階でのアイデアは大学で学ぶ過程で変わってくることもあるはずですが、それはまったく問題ありません。
△③卒業後の職種を具体的に記述できるとなお良くなる
「経営戦略を立案し」とあるが、どの立場で立案するのかが明示されていない。
もう少し補足を加えてもよい箇所だ。
ビジネスとITを学んで、経営戦略を立案するとなると、起業家という目標も考えられますし、企業の経営企画、あるいはコンサルタントという働き方も考えられます。
この点を明確に示しておくと、志望理由書のストーリーがシャープになります。
合格した先輩の志望理由書②
続いては、「ウィッグメーカーの経営企画」という具体的な目標をもっている人の志望理由書をピックアップする。
私立大学 IT総合学部 学校推薦型選抜(指定校)合格者
志望理由書
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私が貴学を志望する理由は、現代社会で必要とされるIT分野とビジネス分野の専門知識や実践的なスキルを身につけたいと考えているからです。 私は将来、ウィッグメーカーの経営企画に携わり、企業のグローバル展開の促進を実現させたいと考えています。そのためには、経営戦略論や、ITを活用したマーケティング戦略などを学び、グローバル市場で通用するスキルを養う必要があると考えます。 貴学は、ITとビジネスの基礎から応用までを幅広く学べる科目が充実しており、また、それらを体系的に学ぶことで専門性を高められるため、私が求めるスキルを効果的に身につけることができると考えます。よって、貴学への進学を強く志望します。
先生の解説
◎④希望する就職先と職種が具体的でVery Good!
希望する就職先と職種が具体的に書かれているのは評価できるポイント。
ただし、このように具体的に書いた場合、読み手は「なぜウィッグメーカーの経営企画?」という疑問を抱くはずですし、面接で質問される可能性も高いです。
「なぜウィッグメーカーの経営企画を志望するのか」さらに、「大学で学ぶことがその仕事にどう活かされると考えているのか」をもう少し踏み込んで書く必要があるでしょう。
この点をしっかり考えることは面接対策にもなりますし、大学で学びたいこともより明確に、具体的になっていくはずです。
△⑤「グローバル市場で通用するスキル」はもう少し掘り下げる必要あり
「グローバル・国際社会・世界で通用する~」という表現は多用されがちだが、曖昧さを含むので、より踏み込んだ記述をしたいところ。
「コミュニケーション能力」などの表現にも言えることですが、このようにいろいろな解釈ができる記述が文中に多くなると、全体が曖昧な印象になります。
「グローバルに通用するスキル」も志望理由書で使いやすい便利な表現ですが、もう少し掘り下げないと何を意味しているのかは伝わりません。
単に英語ができればいいだけなのか、あるいはグローバルビジネスだからこそ必要とされる特別なスキルがあるのか考えみて、答えが出てこないようなら、さらに掘り下げて調べる必要があるということです。
合格した先輩の志望理由書③
続いては、高校時代に企業と連携したプロジェクトに参加した経験が、大学進学やその後のキャリアに通じる目標をもつきっかけとなった先輩の志望理由書を見てみよう。
国立大学 情報理工学域 Ⅰ類 メディア情報学プログラム 総合型選抜合格者
志望理由書
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私は情報教育に携わり、より多くの人が楽しみながらアイデアを形にできるように貢献したい。そのために貴学で学びたい。
このように考えたのは日本語フォントを製作するプロジェクトに参加したことがきっかけだ。このプロジェクトでは、もともと日本語に対応していなかったフォントを日本語に対応させた。製作したフォントは実際に製品にも搭載されることになり、アイデアを形にする楽しさを感じた。製作の過程では、フォント製作そのものだけでなくライセンスやユーザーインターフェースに関することなどについても知る機会があった。これは、作る側に立たなければ見えないことだ。
加えて、フォントを作るという目標があったことで技術の学び方が変わることも実感した。現在はフォントに関連した別の製作を個人的に進めている。その中でもやはり目標が定まっていると自分の直面している課題に対する解決策にたどり着きやすいと感じる。
このような経験から、私は何かを作ることとその楽しさに重点を置き効果的な情報教育を展開したいと考えるようになった。しかし、今の私にはそのための技術や知識が足りない。さらに、自分でそれを補うことは難しいと感じ、大学で学びたいと考えた。貴学では、1年次で情報学だけでなく理工学の基礎にも触れることができる。情報学だけでなく相互に関連する分野に触れることができることは、いろいろな発想を得ることにつながり、いろいろなアイデアとそれを実現する手段を持つことにつなげられる。その上で専門的に情報表現の技法を学べるので、教育に活かすことができると考えた。
また、貴学はものづくりとその楽しさに重点を置いた教育を行っているということも知った。自分自身もものづくりを通じて学ぶことができるという点は、貴重な経験になるだろう。私は貴学での学びを通じて、自分のアイデアを形にできる人、その楽しさを伝えられる人に近づきたい。
先生の解説
○△⑥オリジナリティのある目標が具体的に書かれているのがGood!
「情報教育」に携わりたいことを具体的に挙げていて、その仕事で実現したいこと(より多くの人が楽しみながらアイデアを形にできる)にも言及しているのは評価できるポイント。
この冒頭の目標が、きっかけや大学で学びたいことなど後段のストーリーに展開されており、志望理由書全体にまとまりを与えている。
アドバイスするなら、ここまで具体的に目標が絞り込めているなら、この冒頭部分でも、ラストでも構わないので、職種名も具体的に挙げるとなおよくなります。
情報教育に携わる仕事は、学校の先生・大学の教員も考えられますし、教材の開発者、あるいは文部科学省の官僚というパターンだって考えられるでしょうから。
高校の「情報」の先生になりたいのであれば、教員免許の取得という、大学での学びに関連する要素も関係してくるので、しっかり書いたほうが確実にプラスです。
いくつか候補があるなら、並列して挙げても問題ありません。
◎⑦きっかけとなった経験について詳述しているのはVery Good!
情報教育をめざすようになったきっかけとなった経験に関して、6文にわたって詳しく書いているのは非常によい。
具体的にどんなことに取り組んだかということに加えて、そこで感じたことやどのような発見があったかまでを書くことで、志望理由書全体の説得力を高めることに成功している。
途中の「ライセンスやユーザーインターフェースに関することなどについても知る機会があった。これは、作る側に立たなければ見えないことだ」といった記述などは、まさに経験した人でなければ書けないこと。
オリジナリティーのアピールにつながっています。
ここにさらにつけ加えるとするなら、「フォントを作るという目標」のその先にあるはずの目標ですね。
新たにフォントを作るのは、今までのフォントでは達成できない課題とその解決という目標があるからでしょうから。
それを書くことで、単に「与えられた目標をクリアできる人」という印象にとどまらず、「『そもそも何のため、誰のためにことをなすやるのか』という本質を考えながら目標達成に向けて努力できる人」という一段上の印象を与えることができます。
○△⑧大学での学びとそこで得たいことを関連付けているのがGood!
大学のカリキュラムについてよく調べていることが伝わってくると同時に、カリキュラムの特色を自分が身につけたい力に結びつけて記述しているのは高く評価できる。
「相互に関連する分野」というのは前の文の「理工学」を指しているのでしょうが、ほかにもあるなら、いくつか具体的に挙げてもいいですね。
情報・データサイエンス・IT系学部の志望理由書NG例
IT化は社会全体で進んでいる非常に大きなテーマ。
今なら、AIを巡る議論にまったく関心がない人はあまりいないだろうし、AIはビジネスだけでなく教育や行政などの分野にも急ピッチで大きな変革をもたらしつつある。
それだけに、ITに関する社会的課題について論じようと思ったら、本でもニュースでも、お手本はいくらでもある状況だ。
だからこそ、オリジナリティーを意識せずに志望理由書を書いてしまうと、どこかで読んだことがあるようなことをそのまま繰り返すありきたりな文章になってしまいがちだ。
いくつか具体的なNG例を紹介しておこう。
ざっくりとしたありきたりな表現はNG!
<やりがちNG例>
これからの社会ではますますIT化が進むと考えられている。
そのため、貴学でITを幅広く学ぶことにより社会に貢献する人材になりたい。
\改善ポイント/
1行目などは、誰もが知っている当たり前のことに過ぎません。
しかし、高校生がITについて論じようとすると、ついこのようなありきたりな表現に陥りがちです。
「ますますIT化が進む」ことに触れたいのであれば、さらに細分化して、今後はITのどの部分がどのように普及して、人々の生活にどのような影響をもたらすと考えられるのかなど、より詳しく説明する必要があるでしょう。
このようなありきたりな表現を多用すると、「あまりよくわかっていないのかな」「それほど考えてはいないのかな」という印象を与えるので逆効果です。
もっともらしい常套句を安易に使うのはNG!
<やりがちNG例>
DXが進展するなかで、現代社会のニーズにこたえられるITスキルを習得したい。
\改善ポイント/
上記の例で問題点として指摘したいのは「現代社会のニーズにこたえられる」というところ。
先に挙げたNG例とも共通しますが、ITは社会的に大きなテーマでありながら、ビジネスの世界のことはまだわからない高校生にとっては詳しく論じるのが難しいところがあります。
それでつい、もっともらしく何か言っているような印象を与える常套句に逃げてしまいがちなのです。
しかし、「現代社会のニーズとは何か」「誰がなぜ求めているのか」などを自分で考えてみて、内容が出せないようなら、理解が足りないことの証拠です。
ですから、このような常套句をつい書いてしまいそうになったら、「それはどういうことか」と立ち止まって考える習慣をつけましょう。
それが志望理由書全体のクオリティアップにつながるはずです。
楽観論だけでテクノロジーの進化を論じるのはNG!
<やりがちNG例>
今後、AIが進化することにより、人々の生活はますます便利になり、人々の幸福度は高まっていく。
\改善ポイント/
上記の記述がそのままNGというわけではありません。
AIの社会への普及・実装に大きな期待が寄せられていること自体は間違いではないですから。
しかし、このような楽観論だけで終わってしまうのは問題ありです。
かつてのインターネットやスマホがそうだったように、テクノロジーの進化は一面でネガティブな影響をもたらすこともあります。
AIについても、そのリスクはさまざまなところですでに論じられていますから、功罪の功の部分に触れたら罪の部分にも触れ、AIを巡る議論をきちんと理解していることをアピールすることが大切です。
具体的な職種に触れないのはNG!
<やりがちNG例>
卒業後は、貴学で学んだITスキルを活かして企業で働きたい。
\改善ポイント/
情報・データサイエンス・IT系の学部を卒業後はさまざまな進路が考えられます。
コンサルタント、プログラマー、データサイエンティスト、システムエンジニア、セキュリティエンジニア、ネットワークエンジニアなどのほか、営業・企画・経理などの職種のサブスキルとしてITを活かす道もあるでしょう。
起業家という選択肢もあります。
上のNG例ではそれがまったく見えてきません。
IT系のスキルはさまざまな職種に活かせるからこそ、具体的な職種を目標として設定したほうが、学びたいことも明確になり、志望理由書のストーリーにも筋が通ります。
情報・データサイエンス・IT系学部の志望理由書のポイント
は、改めて情報・データサイエンス・IT系学部の志望理由書を書く際のポイントをまとめておこう。
「自分ならではの切り口」をどう見つけるか
IT化をさらに進めることは、今や社会全体にとって喫緊の課題。
そのため、NG例でも触れたように、この分野で学びたい動機については、「ビジネスの分野でデータの活用が活発になっている」「DXがあらゆる企業・組織で求められている」など、ニュースでよく目にする切り口から論じる人が多い。
もちろんそれが間違いというわけではないが、社会全体で課題感が広く共有されているテーマを切り口にすると、必然的にほかの受験生と内容が重なってしまいがちだ。
そのため、差別化を図るなら、できるだけ「自分ならではの切り口」を見つける努力をしたい。
例えば、日本の教育もIT化の遅れが盛んに叫ばれていて、今、急ピッチで改革が進められている分野。
高校時代に、自分自身が経験した教材や授業のIT化をエピソードとして取り上げ、それを通して自分がどう感じたか、学びにどのような変化があったかなどを論じるというのも一つの方法です。
スマホを日常的に使用しているなかで、自分の生活を変えたアプリを切り口にするというのもありですね。
社会的な大きなテーマから入ると文章は一見立派に見えますが、一方で「オリジナリティー」という観点も忘れてはいけません。
「社会的課題としてのIT化」を論じるなら一歩も二歩も踏み込んで
自分に身近な切り口ではなく、社会的課題としてIT化が必要だという問題意識を論じるのであれば、リサーチを深めて、一歩も二歩も踏み込むことが必要だ。
大雑把に論じてしまうと、前項で説明したように、ほかの受験生と同じような内容になってしまうからだ。
例えば、「日本の企業のDXが陥りがちな問題点は主にどこにあるのか、その解決のために求められるのはどのような力か」といったところまで問題を掘り下げて論じることができれば、ありきたりな志望理由書にはならない。
とはいえ、企業で働いた経験がない高校生がそのレベルの問題意識を自然にもつことは当然難しいです。
しかし、DXやデータサイエンス、AI導入における現場の課題などは関連する本も数多く出ています。
本を読んで研究し、自分なりに考察を深めることならできるはずです。
特に影響を受けた本は志望理由書に書名も挙げましょう。
コロナ禍でのIT化の経験はリアルなエピソードになる
上記の「自分ならではの切り口」を考える際、IT系志望であれば、ぜひ振り返ってほしいのが、2019年から始まったコロナ禍。
多くの学校でオンライン授業などが導入され、その際に感じた便利さ、不便さがきっと何かしらあったはずだ。
オンライン授業を受けてみて、何が問題だと感じたか、よかったと感じたことは何かを思い出してみましょう。
そのエピソードを、日本のIT化進展の問題点というトピックに展開することもできるでしょうし、そのまま教育のIT化というテーマに結びつけてもいいでしょう。
情報・データサイエンス・IT系学部志望者におすすめの本
志望理由書を書くにあたっては、関連する本を読んで理解や考察を深めておくことも重要。
そこで、情報・データサイエンス・IT系学に関連する分野のおすすめ本を小柴先生に紹介してもらった。
関心を広げ、志望動機を言語化する助けになるものなので、ぜひ読んでおこう。
『インターネット』村井 純(岩波新書)
日本におけるネット構築の張本人にして慶大環境情報学部の看板教授の手によるインターネットのこれまでとこれから。
続編の『インターネットⅡ─次世代への扉─』『インターネット新世代』もおすすめ。
『ビッグデータと人工知能─可能性と罠を見極める』西垣 通(中公新書)
レイ=カーツワイルが提唱した、AIが全分野で人間をしのぐという2045年特異点説を批判的に検証する。
『超デジタル世界─DX、メタバースのゆくえ』西垣 通(岩波新書)
デジタル敗戦・デジタル後進国に堕ちた日本の状況はなにゆえなのか、加えて日本が向かうべき未来のあり方とは。
『デジタルの仕事がしたい』杉山知之編(岩波ジュニア新書)
デジタルハリウッド大学学長が、デジタル技術を使って各分野で活躍する人達を紹介する。
『IoTとは何か─技術革新から社会革新へ』坂村 健(角川新書)
IoTの概念を世界で初めて提唱した筆者が、IoTとは何か、IoTがもたらす未来とはどのようなものかを論じる。
『データ分析の力─因果関係に迫る思考法』伊藤公一郎(光文社新書)
因果関係分析に焦点を当てたデータ分析の入門書。
『Society5.0─人間中心の超スマート社会』日立東大ラボ(日経BP)
サイバー空間とフィジカル空間の融合という将来構想に関する解説書。
『未来IT図解 これからのDX〈デジタルトランスフォーメーション〉』内山悟志(MdNコーポレーション)
IT関連のコンサルタントが図解入りでこれからのDXを解説。
『金融DX、銀行は生き残れるか』遠藤正之(光文社新書)
銀行のIT化、デジタルトランスフォーメーションの最前線の解説。
まとめ
IT化をさらに進めることは、今や社会全体にとって喫緊の課題であり、ニュースでも頻繁に取り上げられている。
そのため、こうしたテーマを扱うこと自体は悪くないが、表面的な切り口にとどまると、他の受験生と内容が重なりがちだ。
だからこそ、できるだけ「自分ならではの切り口」を見つけることが重要になる。
そのためには、自身の経験をもとにした具体的なエピソードを交えたり、リサーチを深めて問題の本質に迫ることが効果的だ。
自身で書いた内容を、ここで紹介した合格者の実例やNG例と見比べながら、少しずつブラッシュアップしていこう。
取材・文/伊藤敬太郎 監修/小柴大輔 構成/寺崎彩乃(編集部)
学校パンフでイメージを膨らまそう
IT化は、社会全体で進む非常に大きなテーマ。だからこそ、「自分ならではの切り口」を見つけることが重要になる。
合格者は、どのようにその切り口を見つけ、志望理由書へと落とし込んでいたのか、実例を見てみよう。
さらに説得力を高めるには、・・・・・・

