受験生なら知っておきたい 面接の基礎知識

受験生なら知っておきたい面接の基礎知識

面接って合否にどれくらい影響するの?面接では何を聞かれてどんなところを見られるの?面接ってグループで受けることもあるの!?総合型選抜と学校推薦型選抜、一般選抜で面接に違いはある?受験生が知っておくべき面接の基礎知識をまるっと解説!

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面接ってどんなもの?

面接ってどんなもの?

総合型選抜や学校推薦型選抜をはじめ、一般選抜でも行われることのある面接。学校と受験生とのマッチングの場であり、書類選考の評価や学科・実技試験のスコアが高くても、面接で評価されなければ不合格となってしまうこともある。
面接官からの質問に答えるかたちで、「自分はどういう人物なのか」「どんな将来の目標をもっているか」「どんなことに興味・関心があるか」「なぜその分野について学びたいのか」「なぜその学校を志望したのか」といったことを伝えるほか、社会問題についての意見を求められたり、学科の知識を問う質問をされたりすることもある。
また、学校によっては、個人面接のほか集団面接やグループディスカッションを行うケースもある。
態度やマナー、言葉づかいなども含めて、自分をプレゼンテーションする場だと考えておこう。

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校種・入試別面接のポイント

一口に面接といっても、実は受験する学校や入試によって内容が異なる。ここでは、校種・入試別に面接のポイントを説明するよ。

大学の面接

総合型選抜

総合型選抜の面接では多くの場合、アドミッションポリシー(AP、求める人物像)に沿った質問がされる。
総合型選抜は、大学が掲げるアドミッションポリシーを基準に、受験生の将来の可能性や意欲を評価する入試方法。だから、面接の比重が高い。出願は9月以降だが、出願より前に「エントリー」を行い、事前面談(予備面接)を実施する大学も多く、出願前に実質的な面接が始まる。総合型選抜を考えている人は、早めに準備をしておきたい。

学校推薦型選抜

学校推薦型選抜の面接は、志望理由書などの書類をもとに進められることが多い。ただ書いたことを丸暗記して答えていては面接の意味がないので、プラスアルファのことを語れるようにしっかり準備をしておこう。
総合型選抜に比べると、面接の比重は大学により異なる。出願は11月以降で、面接を含む入試は11月中旬〜12月上旬に行われることが多い。募集要項は6月頃に発表されるので、必ずチェックしておこう。また、指定校推薦の場合は学内選考があることが多いので、早めに情報を集め、準備を進めておくことが重要だ。

一般選抜

医学部など一部の大学・学部では、一般選抜でも面接を行うことがある。一般的な面接の質問事項に加え、医学部では「医師(看護師)を目指す理由」や「どんな医師(看護師)になりたいか」、さらに医療に関する最近のトピックスについて意見を求められることもある。医学部の面接や小論文の対策本などを活用して対策をしておこう。一般選抜の出願は12月〜1月、面接を含む試験日は2月〜3月だ。

専門学校の面接

専門学校

専門学校では書類選考と面接のみというところも多く、面接の比重はかなり高い。学ぶ内容が職業に直結しているため、該当する業界や職種について調べ、「なぜ目指すのか」をしっかりと語れるようにしておこう。看護をはじめ医療系の専門学校では人物重視の傾向があるので、準備は万全に。6月頃からエントリーの受け付けを開始する学校もあり、募集回数や選抜方式・日程は学校によりさまざま。秋頃までに入試が終わる学校もあれば、年明け2月、3月までチャンスがある学校もある。気づいたときには募集が終わっていた…ということにならないよう、早めに情報を収集しておこう。

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面接はどうやって評価されるの?

面接で向き合う面接官は、どんなところを見ているんだろう?実際の評価ってどうやってされているの?しっかり確認して、心構えをしよう。

面接の評価ポイント

面接官は何を
見ているか

面接ではさまざまな質問を通して、学びたい分野への興味・関心、その学校についての理解度、将来の目標、学びへの意欲、主体性や協調性といった人間性などを見ている。また、面接官との対話を通してコミュニケーション能力についても見られているし、態度やマナーなども重要なチェックポイントだ。さらに、学校によっては必要な学科の知識レベルや一般的な教養を確かめることもある。暗記した内容を型通りに答えるよりも、たとえ言葉に詰まりながらでも面接官の問いに一生懸命に答えようとする誠実な姿勢の方が好印象だ。なお、自分なりの視点を持っているかといった個性も見てはいるが、無理をして意外性のある意見を言おうとする必要はない。

面接の評価方法

評価方法は学校によって異なるが、上で紹介したポイントを総合的に判断し、3段階や5段階などでランク分けするケースが多い。面接官は複数いることが多いので、それぞれの評価を総合して判定される。また、評価を点数化して配点を公表している学校もあるので、志望校の入試情報を確認しておこう。

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面接にはどんな形式があるの?

一対一で行う個人面接から、複数人でのぞむ集団面接・グループ面接など、面接の形式はさまざま。それぞれにどんなポイントがあるのか見ていこう。

面接の形式とポイント

個人面接

個人面接は受験生1人に対して面接官が1~3人程度の、もっとも一般的な面接形式。面接時間は5~20分程度。受験生が質問に答えると、それに対して面接官がさらに質問を投げかけたり、異なる角度から質問したりと、深く突っ込まれることもある。集団面接やグループディスカッションに加えるかたちで個人面接を行う学校もある。

集団面接

集団面接は複数の受験生が一緒に面接を受ける形式。受験生2~6人に対して面接官が1~3人というパターンが一般的。面接時間は10~30分程度だが、一人ひとりが面接官とやりとりする時間は個人面接と比べると短くなる。同じ質問に対して順番に回答を求められることもあれば、一人ひとり違う質問をされることも。他の受験生の回答を受けて答えるシーンもあり、集団面接では人の意見を聴く力も試される。

グループディス
カッション

グループディスカッションは受験生5~10人程度がグループになり、与えられたテーマに関して議論をする形式。テーマは学部・学科に関連するものが多く、事前に発表される場合もあれば、その場で提示される場合もある。受験生グループの中で進行役やまとめ役を選ぶのが一般的だが、誰がやるかは面接官が指定することもあれば挙手制のこともある。グループディスカッションでチェックされるのは、積極性、協調性、理解力、知的好奇心など。自分の意見を述べることだけでなく、他の人の意見を聴き、それを受けて議論を発展させることも大切になる。

口頭試問

口頭試問は、教科や時事問題などに関する知識や意識を問う面接。一般的な面接の中に口頭試問をとり入れることも多い。知識の専門性や正確さよりも、どういう視点で考えているか、どこに着目しているかといった興味・関心の方向性や度合いが重視されることが多いので、自分の言葉で語れるようにしておくことが重要だ。

お話をうかがった方

  • 小柴大輔 先生 リクルート「スタディサプリ」講師
    小柴大輔 先生
    リクルート「スタディサプリ」講師

Z会東大進学教室で講師を務めるほか、ロースクール(法科大学院)や司法試験受験の予備校においても一般教養小論文を指導している。感覚ではなく論理的に答えを導く指導に定評があり、「現代文に対するイメージが変わった」と受験生から圧倒的な支持を集めている。スタディサプリでは、現代文のほか、小論文や総合型・学校推薦型選抜対策講座を担当。

2020年02月25日時点の情報です。