専門学校とは

専門学校ってどんなところ?

専門学校と聞いて、キミはどんなところを想像する? 実は専門学校は大学に比べて3倍以上の校数があり、学べる内容も「こんなことまで?」と驚くくらい、とてもバリエーションに富んでいるんだ。

そして注目したいのが、昨年3月に専門学校を卒業した学生の約8割が就職を果たしたこと。「就職につながりやすい」「特定の業界に強い」といった点が高く評価され、高校からの進学率は、ここ数年増加傾向にある。

進路選択は、これからの人生につながる大事なポイント。自分が学びたいことや身につけたいスキル、将来やりたいことを実現するために、自分にとって何がベストかをよく考えて選ぶ必要がある。
ここでは、専門学校に行くことの意味やメリットを詳しく紹介していくので、ぜひ参考にしてほしい。

文部科学省「平成25年度 学校基本調査」より
(文中では平成24年度間の数値を使用)

どんな学校を専門学校と呼ぶの?

専門学校は「専修学校」の1つで、専修学校は、主に「仕事に必要な力を育てるための学校」のこと。このうち、高校卒業程度以上を入学資格とする「専門課程」を置いているのが専門学校なんだ。

専門学校の設置に当たっては都道府県知事の認可が必要で、認可された学校だけが、校名に「専門学校」とつけることができるよ。ただ、認可されていても校名に表記をしていない学校もあるので、気になったら学校に直接確認してみよう。

都道府県認可校と認可を受けていない学校の違い

認可校は、「卒業資格が付与される」「通学定期券などの学割がきく」「選択できる奨学金の幅が広い」「万が一学校が破たんした場合、行政の救済措置がある」ということが特徴だよ。

対して認可を受けていない学校は、上にあげた点で認可校と同じ扱いにならない場合が多い。でも、授業時間数や専任講師の数など法律の基準にとらわれることがないから、より柔軟なカリキュラムを組んだり、現役で活躍している人を非常勤講師として多く集めるなど、独自のスタイルで個性的な教育に取り組んでいる学校もある。あえて認可申請をしないでいる場合もあるようだ。

いずれにしても、認可校とその他の教育機関の違いがどういう点にあるのか、きちんと理解してから進路先として検討することが大切だ。

専門学校の数は大学の約3.5倍

専門学校の分野別生徒数

専門学校は全国に約2800校あり、およそ60万人の学生が学んでいる。大学は全国に約780校あり、学生数は約255万人。専門学校は、学生の数をみると大学の4分の1ほどだけど、学校の数は大学の3.5倍の多さ。これは1つの学校につき、学科が1~2つと少なかったり、1クラス15~30人程度の少人数制で指導をする小規模な学校が多いことも理由の1つ。さまざまな規模・個性の学校があることが、専門学校の特徴なんだ。

ちなみに専門学校生の数を分野別にみると、1位は看護、理学療法などの医療分野(約20万人)、2位は語学、公務員などの文化・教養分野(約11万人)、3位はIT・電気などの工業分野(約8万人)と続く。

文部科学省「平成26年度 学校基本調査(速報)」より

学校で学ぶ期間は2~4年

修業年限別学科表

専門学校で最も多いのは2年制の学科で、昨年の統計では全体の54%を占めている。2年間集中して専門的に学び、就職につなげられるのが2年制の専門学校の大きな魅力だ。
3・4年制を取っているのは理学療法、作業療法、看護、保育など、国家資格を目指す学科が多い。ほかにも、語学、ファッション、デザイン、ゲームなど、さまざまな分野で3・4年制の学科が増えているよ。これらの学科では大学とは一味違い、専門分野のみを深く実践的に学べるカリキュラムが組まれていることが多い。

1年制の学科には、調理師科、医療秘書科など短期で資格取得が可能なコースがある。また1~3年制の学科を修了後、さらにもう1年かけて高度な勉強をしたいという人のための学科なども増えている。

文部科学省「平成25年度 学校基本調査」より

高校卒業後に入学した人は7割

今年、高校を卒業して専門学校に進学した人は17万8431人で進学率は約17%だった。約15%だった5年前から年々上昇傾向にある。専門学校は、就職に直結するような技術や資格を身につけたい高校生に支持され続けているんだ。

ところで、専門学校に入学する人は高校生だけなのかな?
昨年、東京都内の専門学校に入学した人の内訳をみると「高校新卒者」は約7割。残りの3割は大学・短大卒業者または中退者、高校卒業後社会人を経験した人、外国人留学生など。さまざまな経歴や年齢の人が集まっていることがわかるね。

文部科学省「平成26年度 学校基本調査(速報)」
東京都専修学校各種学校協会調査統計部「平成25年度 在籍調査」より

卒業後は「専門士」「高度専門士」

卒業すると授与される称号

修業年限2年以上の学科を卒業すると「専門士」、修業年限4年以上の学科を卒業すると「高度専門士」の称号が得られる。ちなみに大学を卒業すると「学士」、大学院では「博士」や「修士」、短期大学では「短期大学士」、高等専門学校では「準学士」の称号がそれぞれ付与される。

称号は一生なくならない、身分証明のようなもの。就職などの際、「専門士」は「短期大学士」と同等、「高度専門士」は「学士」と同等に扱われることが多いみたい。また「専門士」なら「大学への編入」資格が、「高度専門士」なら「大学院への入学」資格が得られるよ。

卒業後の就職率は8割近く

「専門学校の卒業者に占める就職者の割合」をみると、なんと8割近い人が就職を果たしているんだ。なかでも医療系と教育・社会福祉系は9割に迫る高い就職率。専門学校で仕事に直結する国家資格を取ったり、実践的な知識・技術を学べるというメリットが生かされているね。

ちなみに2年前は、大学卒業者全体における「正規の就職者」の割合は約63%。「正規の仕事でない就職者」や「一時的な仕事に就いた者」も含めると約70%。専門学校の就職率は、大学と比較しても高水準をキープしていることがわかる。

文部科学省「平成25年度 学校基本調査」より

かかるお金を比べてみよう

同系統分野(保育、教育、文学)の平均初年度納付金

入学する最初の年にかかるお金、「初年度納入金」をみてみると、学科系統による差が大きく、100万円~200万円近くまで幅がある。

例えば、理学療法や作業療法の分野は全体的に高め、看護や保育・教育の分野は低め。卒業までにかかる費用も、修業年限などにより、大きな違いがあるんだ。当たり前のことだけど、3・4年制の学科で学べば、合計で大学並の費用がかかる場合もあるよ。
学校や学科による違いが大きいので、検討する際は、卒業までの費用をよく確認しておこう。

東京都専修学校各種学校協会
「平成25年度 学生・生徒納付金調査」より

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