2016/07/14
「あの大企業が経営破たん」。近年、よく耳にするこんなニュース。ビジネスの基礎的な知識があれば、事前に危険性を知ることができるんです。今回は、難しそうで実は身近な会計学についてご紹介しましょう。
まずは人で考えてみましょう。AさんとBさんは、どちらも1000万円の資産を持っています。なかなかのお金持ちですね。でもよくよく聞くと、Aさんはそのうち900万円が借金で、自分で稼いだお金はわずか100万円。いっぽうBさんは1000万円全額が自分で稼いだお金でした。さて、結婚相手やビジネスパートナーとしてどちらが信用できますか?そう、同じ資産額でも、中身によってその信頼性は大きく変わってくるんです。
これは企業も同じ。それを知るために役立つのが財務諸表です。なんだか難しそうですが、実は意外とシンプル。まず注目してほしいのが「貸借対照表(B/S)」です。これは先ほどお話ししたAさんとBさんの話の企業版。資産額のうち、借金や自分のお金(自己資本)がいくらあるかはもちろん、設備や車など資産をどのような形で持っているか?なども一目でわかるんです。
「でも、財務諸表はどうしたら見られるの?」と思ったあなた。実は、すべての上場企業は財務諸表の公開が義務付けられていますから、ホームページなどで簡単に見ることができるんです!その際、もうひとつチェックして欲しいのが「損益計算書(P/L)」。この書類では、売上高はもちろん、かかった経費を差し引いた純利益などもわかるので、その企業が本当に儲かっているかどうかを見極めることができます。
財務諸表の見方をマスターすると、ネームバリューやイメージとは全く違う、あらゆる企業の本質的な体力や成績が一目でわかるようになります。これは将来、就職先を選ぶ時に必ず役立ちますし、就職後も経理や財務部門に限らず、営業職などにも求められるスキル。一見難しそうに感じる会計学は、不透明な時代をスマートに生き抜くために欠かせない、とても身近で汎用性の高い学問なのです。