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2024/03/21

お金持ちと貧しい人、
肥満になりやすいのはどっち?

健康に悪影響を及ぼす肥満。その原因には遺伝や病気によるものもありますが、ふだんの生活が原因となる肥満は、どんな人がなりやすいのでしょう? 例えば、お金持ちと貧しい人で違いはあるのでしょうか?

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お金持ちの方が贅沢な食事をしていそうだけれど。

「肥満になりやすいのは、贅沢なものをたくさん食べられるお金持ちでしょ?」と、みなさんの多くは思うのでは。でも実は、貧しい人の方が肥満になりやすいんです。もちろん貧困国は別ですが、日本やアメリカ合衆国などの先進国では、収入と肥満の間に「低収入者ほど肥満になりやすい」という関連があることが、国内外の研究機関や厚生労働省の調査で分かってきています。

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考えられる原因は、食事の内容と運動量の違い。

原因としてまず考えられるのは、栄養バランスの悪さです。低収入の人は、安くてお腹がいっぱいになることを重視する傾向があり、摂取エネルギーに占める穀物の割合が多く、野菜や肉が少ないことが調査で分かっています。アメリカの調査では、安価な食品ほど脂質が多いという結果も出ています。もう一つの原因は運動不足で、こちらも低収入の人ほど1日の平均歩数が少ないという調査結果があります。遊びに出かける機会が少ないことなどが理由でしょう。

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個人がいくら頑張っても、
どうにもならないことがある。

では、肥満を防ぐには? バランスのいい食事が必要なのは明らか。でも、それがままならないほど経済的に困窮する人が、最近は日本でも増えています。2021年の相対的貧困率は国全体で15%程度、ひとり親世帯では約45%にも上ります。そのような人には、国や市町村による支援を手厚くする必要があるかもしれません。また最近では、都会でも採算がとれないスーパーの閉店などによる「フードデザート(食の砂漠)」が問題に。そうなると、買物がしづらくなり栄養不足になるほか、「近くに高級スーパーしかなくなり、買える値段のものがない」という事態に陥るおそれも。「その人たちが買える食品をいかに届けるか」も大切になってきます。

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「健康の社会的決定要因」も、
食を創造するうえで大切なこと。

ほかにも、戦争で小麦が高騰するなど、社会情勢によって食品が手に入らなくなることもあります。食は個人の健康を大きく左右します。けれど、個人の努力ではどうすることもできない「社会的決定要因」によって、手に入らなかったり届かなかったりといったことが起きるのです。食創造科学科の必修科目「社会と健康」では、将来、食品の開発を担っていくうえで欠かせない、こうした食と社会、健康のつながりを考える視点を身につけます。

加藤 憲先生

専門は医療管理学、医療倫理、保健医療行政、健康情報、医療社会学。
2003年、テキサス大学公衆衛生大学院修了。2010年、名古屋大学 博士(医学)取得。2019年、本学着任。健康医療科学部教員。2024年4月より食健康科学部 教員就任。食健康科学部食創造科学科では「社会と健康」「公衆衛生学」などの授業を担当。

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