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2024/07/04

カラダの状態が丸わかり!?
高校生も知っておきたい血液の話。

私たちの身体を流れる血液。小・中学生の頃、赤血球は全身に酸素を運び、白血球は菌やウイルスと闘い、血小板は止血する、という役割を習った人も多いのでは?血液中には細胞や抗体など様々な物質が含まれていて、身体に何らかの異常が起こると、それらが増えたり減ったりします。つまり、血液は身体の状態を映す鏡。今回は、高校生の皆さんが注意したい血液に関する病気や、血液検査のチェックポイントをご紹介します。

1

血液の病気で最も深刻なのは
“血液のがん”と呼ばれる白血病。

そもそも、血液はどうやって生まれるのでしょうか?その仕組みはこう。血液細胞のもととなる造血幹細胞が、骨の骨髄の中で細胞分裂を繰り返すことで、赤血球、白血球、血小板がつくられます。しかし白血病に罹ると、造血幹細胞や血液細胞になる前の細胞に異常が起こり、がん化した細胞が無制限に増殖して、正常な血液細胞が減少します。白血病には様々なタイプがあるので一概には言えませんが、近年では造血幹細胞移植や薬物療法など治療法が進歩し、寛解する場合も増えています。

2

女子だけじゃない!
貧血は、男子も要注意。

白血病は稀なケースですが、貧血は高校生も罹りやすい疾患です。大きく「小球性」「正球性」「大球性」があり、高校生に多いのは小球性貧血の一つである鉄欠乏貧血。鉄は、赤血球の主要成分であるヘモグロビンの合成に使われるので、不足するとヘモグロビンの生産が低下します。貧血というと女性に多いと思われがちですが、成長期は、男性も非常に多くの血液をつくるため、鉄分不足になることも。めまいや動悸、疲れやすいなどの症状がある人は疑ってみましょう。

3

ココを見ればわかる!
検査データの見方、教えます。

血液検査や献血時にもらえる血液データ。難しい項目名が並んでいますが、身体の状態がわかる貴重な情報なので、ぜひチェックしましょう。高校生の皆さんの注目ポイントは、「ヘモグロビン濃度」。男性13g/dL以下、女性11g/dL以下だと貧血とされています。また「HBs抗原(抗体)」が陽性の場合は、B型肝炎に罹っている(罹っていた)ことがわかります。ちなみに白血球数は、白血病の場合、基準値より大幅に多く(あるいは少なく)なりますが、ケガや風邪などでも数値が変動します。

4

様々な検体検査、生体検査で
私たちの健康を支える臨床検査技師。

いかがでしたか?今回ご紹介した血液の状態を知る上で、欠かせないのが臨床検査技師。医師の指示のもと、血液を始め、尿、組織の一部を検査する「検体検査」や、心電図や超音波検査、脳波測定などの「生体検査」を通して、正しい診断や効果的な治療につなげる検査のプロです。近年では、遺伝子検査を行ったり、在宅医療などにも活躍の場が広がっており、様々な病気の治療や予防を通して人や社会を支える存在として、ますます注目が集まっています。

秋山 秀彦先生

専門は血液学、検査血液学、分子生物学。
名古屋保健衛生大学 衛生学部 衛生技術学科(現:藤田医科大学)卒業。臨床検査技師、臨床工学技士。臨床検査技師として大学病院に12年間勤務。大学で31年間教鞭を執る。博士(医学)。2024年4月本学へ。健康医療科学部 医療貢献学科 臨床検査学専攻 教授。「血液学」「健康医療科学基礎演習」などの授業を担当。

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