国士舘未来予測2050

地理学を応用してつくる。まちを救うハザードマップ

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土地を知り導く、安全なまちの基盤

まちをつくるというと建築や土木を思い浮かべますが、ではいったいまちはどこにつくればいいのでしょう?建造物の配置は?最適な避難場所は?立地環境を決める際には、地理学が欠かせません。位置情報だけでなく、変遷や自然災害の情報など土地に関するさまざまなデータを集約した「GIS(地理情報システム)」を活用すれば、例えば、もともと川だった場所を埋め立てた土地かどうか、といった防災面の懸念も分かります。GISの作成は測量技術をもつ地理学の専門家が手掛けます。テクノロジーの発展にともないドローンを活用したデータ研究がすでに始まっていますが、未来でさらに技術が発達すれば、より詳細な情報をリアルタイムでまちづくりや防災に役立てることができます。

環境汚染をストップ。警鐘をならすサンゴ礁

地理学は、地球環境改善の道標にもなります。例えば「サンゴ」は地球温暖化の被害者としてたびたび挙げられますが、それだけでなく環境汚染の影響も受けています。サンゴが生息できなくなる海の汚染は、海だけの問題ではありません。流れ込む川や陸域を含めた地域一体が影響を及ぼすのです。サンゴ礁(サンゴの死骸が積み重なってできた地形)の中の死んだサンゴや生きているサンゴの分布を地理学的に研究することで、地域全体の環境汚染を分析することができます。「陸が変われば海も変わる」。未来の環境を守るためにも、地理学の知識と、フィールドワークに重きを置いた研究方法はさらに重要になるでしょう。

Sustainable Town