未来はより豊かに、貧困のない社会が実現できるでしょう。その役を担うのは経済学です。経済と聞くと、お金のやりとりを思い浮かべる人も多いでしょうが、それだけではありません。経済学はそもそも、社会をより良くするための学問です。近年、経済学が役立つための環境は徐々に整いつつあります。未来では社会問題を解決する手立てとなる膨大な情報や学術的な文献に、誰でも簡単にアクセスでき、その情報を活用するためのアプリやシステムの普及も進むでしょう。問題が生じたときに、統計や過去の事例を当てはめ分析し、最適解を簡単に導くことができるのです。私たちに必要なのは考える力です。どのようなデータを当てはめ、どう分析するか。前提として、AIを活用できる力は必須になるでしょう。
問題を解決するときに重要なのが、限りある資源をいかに効率的・効果的に使うかということ。たとえば食品ロスの問題も、予算が無制限なら解決はさほど難しくはないでしょう。しかし現実にはさまざまな制約があります。条件付き最適化といいますが、経済学的思考で、現実を考慮した最適解を導くことができます。食品ロスに限らず、未来ではさまざまな社会問題を自分たちで解決する機会も増えるでしょう。そんなとき頼りになるのは経済学的思考です。学びを深めれば、具体的な数値を出し説得力を持った解を示せるようにもなります。それが人を動かす力になります。