母子家庭で育ったので、お金の使い方には慎重なほうだったのかなと思います。大学に行くために高校1年から始めたアルバイトでは、母と相談したうえで、お給料の半分を貯金していました。だから、大阪学院大学に合格したあと、てっきり私は自分の貯金から学費を出すものだと思っていたんです。ところが、母は私の貯金には一切手をつけず、自分ですべて支払ってくれていました。母は最初から自分で出すつもりで、でもお金の大切さを伝えるために私に貯金をさせていたのだと、そのときに気づきました。

選んだのは経済学部。世の中のお金がどういう仕組みで回っているのかを知りたかったのが理由です。授業では、「物価はどのような理由で変動するのか」「銀行はどのような役割を果たしているのか」などについて学びました。同時に、商学部や経営学部など、ほかの学部の興味のある授業も受講していました。大阪学院大学には「他学部履修制度」があり、好きな授業を受けて単位を取得することができます。この制度を利用して、街づくりや商店街の活性化など、より生活に身近なことも学んでいました。

勉強以外で力を入れていたのは、学園祭を運営する岸辺祭実行委員の活動です。毎年10月に開催される岸辺祭の準備は、年が明けてから始まります。私はSNSを活用した広報を担当。立てた目標は、学生だけでなく、地域の方にもたくさん参加してもらうことでした。そのために投稿内容を工夫し、更新頻度も高めて。おかげでフォロワーが1.5倍に増え、たくさんの地域の方々が遊びに来てくれました。当日は学内のスタンプラリーを企画。たくさんの子どもたちが楽しんでくれている様子を見て、地域の方の笑顔が見られる活動のやりがいを感じました。

キャリアコンサルタントの国家資格を持つ専門スタッフが16名在籍するキャリアセンター（2024年12月現在）。学生一人ひとりの個性や能力を見極め、引き出すとともに、応募書類の添削から面接の練習まで、就職活動をトータルにサポートしています。

キャリアセンターで担当してくださった方は、自分の考えを表現するのが苦手な私に根気強く付き合ってくださいました。何度も面談を重ねるうちに、私の個性は“親しみやすさ”だと教えてもらって。私は今までたくさんのアルバイトを経験し、数えきれないほどの人と出会ってきました。そうするうちに、出会ったすべての人と仲良くなれる術を身につけていたんです。気づいたら、それが私の個性であり、長所にもなっていました。自分の長所を知ったことで、企業でのインターンシップも採用面接も、人と話すのはいつも楽しかったです。

生まれ育った街で、地域のために働きたい。そうして出合ったのが大阪シティ信用金庫でした。銀行は、お客様からお預かりしたお金を企業に融資することで、街の発展に貢献しています。そして、私にはどうしても地元を離れたくない理由がありました。それは、中学1年からずっと一緒にいる友達グループの存在です。高校と大学は別々なのに、いつも集まってボウリングをしたり、カラオケに行ったり、ただただずっとしゃべっていたり。自分が安心できる居場所にずっといたい。もうひとつの私の望みでした。

仕事で大切にしたいのは、当たり前のことを当たり前にこなすこと。なかでも挨拶は大事にしたいです。学校やアルバイト先で人と会ったときに、一言目は必ず挨拶をしますよね。その一言で、相手の調子や雰囲気が分かります。元気がなかったら「朝ごはん食べた？」と聞くことで、雰囲気を明るくすることができます。大阪シティ信用金庫は、出会う人みんなが気持ちよく挨拶してくれました。ここでならずっと働ける。価値観を共有できる人たちと出会えたことが、決め手だったかもしれません。