科目一覧
岐阜女子大学大学院
文化創造学研究科
デジタルアーカイブ専攻
授業科目一覧(一部)
文化創造学専攻では、より高度な専門性を持つ図書館司書、学芸員をめざす、文化芸術としての書道の研究や書道に関する高度の専門性を要する職業や教員専修免許をめざす方向けの専門的な科目を設置している。その科目の一部を紹介する。
文化創造学専攻(日本文化研究分野)科目
日本語学特講 I
日本語の歴史は、基本的には日本語を記した過去の文献を通して知る事が出来る。そのため、日本語の歴史を研究する事と、過去の文献を読み解く事とは、密接な関係にある。この授業では範囲を日本語音韻の歴史に限定し、過去の文献とそこから推定される音韻の歴史について考えたい。さらに、音韻の歴史に関する研究論文を読むことで一層の理解を深めたい。
日本語学特講 II
日本語学特講Iに引き続き行う。日本語の歴史は、基本的には日本語を記した過去の文献を通して知る事が出来る。そのため、日本語の歴史を研究する事と、過去の文献を読み解く事とは、密接な関係にある。この授業では範囲を日本語音韻の歴史に限定し、過去の文献とそこから推定される音韻の歴史について考えたい。さらに、音韻の歴史に関する研究論文を読むことで一層の理解を深めたい。
日本文化特講 I
王朝女流文学者と現代アメリカの「ゴシップ・ガール」、近年の「もの書くアイドル」の相違と共通性を知ることで、女性にとって「他者から憧れられる存在になること」と「書くこと」が、どのように結びついているかを考察する。また、娘義太夫や浅草オペラ、初期宝塚といった「戦前のアイドルたち」のありようを分析し、「近代日本の都市文化」と女性アイドルがどのようにつながっているかを浮かびあがらせる。
日本文化特講 II
戦後の芥川賞作品を検証することで、現代日本社会において、純文学小説の社会的地位がどのように変遷していったかについて概観する。そのことをつうじて、現代日本社会における文藝ジャーナリズムのありようを、諸外国と比較しながら多角的に考察する。
日本文化特講 III
カルタ取りでお馴染みの『百人一首』を関連資料を参観しつつ読み解き、天智天皇から順徳院に至る600年の和歌史を展望する。
日本文化特講 IV
鴨長明の『方丈記』を構想と表現にこだわって読み進み、作者の思想と生き方を明らかにしていく。その際、史・資料の扱い方についても解説する。
東洋文化特講 I
主に白居易の閑適詩を取り上げ読解し、漢詩としての意味をとらえるとともに、白居易の人生への思想も学習する。
東洋文化特講 II
中国古代の春秋戦国時代の思想家、いわゆる「諸子百家」の文献を読解し、中国古代史および中国思想への理解を深める。
言語文化特講 ~日本語構造~
日本語と中国語の言語的な基本構造は異なっているものの、日本は中国との長期間の言語接触の間に中国語を積極的に取り入れてきた。中国語に由来する漢字音、文字は日本的に変容したものの日本の文化として取り入れられてきた。この授業では文字を中心に言語と文化の関係を考えたい。
書道特講 I
日本近世・近代書道史における、いくつかの重要なトピックスを取り扱う。【1】唐様書の興隆(江戸後期)、【2】新しい史料の流入とその影響(明治~大正)、【3】書道における用と美の分化(大正~昭和)、【4】文人の書と書家の書(昭和戦前~戦後)などについて解説しながら、今後の書道のあり方について考察する。
書道特講 II
主に殷・周時代~唐時代を扱い、常にその時代の歴史と文化を意識しつつ、文字を芸術として高めた数多くの能書家の活躍と名品を紹介し、文字の発生から各書体の完成までの流れを明確に理解する。
書道特講 III
中国書道史上に大きな足跡を残した王羲之と顔真卿。その二人の人物像、時代背景、書蹟などを学習しながらその偉大さを浮かび上がらせ、また二人が日本書道史にどのような影響を与えたかをみていく。
仮名特論
平安時代を頂点とする仮名は、単に墨と紙とに表現された文字群ではなく、線や連綿を含めた文字の姿、文字や文字集団が作り出す空間の美しさを表現している。この美しさのルーツ、華麗な料紙などを中心に学習する。
鑑賞特論
中国、日本の書の古典に関する多くの画像が刊行され、またインターネット世界における情報も夥しい量に上る。パソコンなどを使って多くの画像を自ら探して書道史の中に位置づけ、目と手で書の歴史を鑑賞理解する。
書道研究 I
日本における漢字仮名交じりの書の展開について、その内容と形式の変遷をたどる。また、近代の知識人は、手紙の書などをはじめとする、様々な漢字仮名交じりの書を遺している。それらのいわゆる「文人の書」に見られる書表現を分析し、私たちの漢字仮名交じりの書の制作に活用する方法について考察する。
書道研究 II
「時代」「人物名」「古典名」「図版」の知識修得だけではなく、書写材料・書写用具・書写面に注目して、用筆法<側筆・直筆>の変遷を合理的に捉えようとする。と同時に、その関連する古典の臨書をする。
書道研究 III
この授業では楷書・行書・草書の三体について取り上げる。 代表的な古典の特徴を把握し、それを忠実に臨書することにより目標に近づけたい。
書写研究
小中学校「書写」の教育実践に必要な能力と素養を高め、教育内容を認識して、書写技能の修得から授業法までを学ぶ。また、揮毫場面を四方向―上・下・正面・左肩―から撮影したデジタル教材を作成する。
日本語学演習
抄物と呼ばれる一群の書籍は中世語の様相について知る事のための重要な書籍である。ここでは中世語を音声・文法・語彙等の様相を明らかにすることを目的として清原宣賢『蒙求聴塵』を読む。 同時に『蒙求聴塵』をデータとして入力することで、日本語をデータ化する際の問題点(特に漢字について)等についても明らかにする。
日本文化演習 I
日本文化史・日本文化論について書かれたテキストを演習形式で丹念に読みすすめ、日本文化について語るための基礎知識と思考力を養う。
日本文化演習 II
中古・中世の文学作品を古写本(影印本)で読むことを通して、変体仮名の成り立ちを理解するとともに、異本生成のメカニズムを体験的に学ぶ。具体的には、『古今集』などの勅撰和歌集、『枕草子』『更級日記』といった王朝散文作品、『平治物語』『平家物語』をはじめとする軍記物語、『無名抄』『建礼門院右京大夫集』その他の歌論書・私家集を読み解いていく。
東洋文化演習
唐代の伝奇小説を読解鑑賞する。また、それが日本文学に及ぼした影響をとらえながら、東洋文化のなかでの日本文学・文化のありようを把握していく。
書道演習
字を芸術として高めた数多くの中国および日本の名品を鑑賞し、その臨書(半紙と半切)の技能を深化させる。そして文字の発生から各書体の完成までの流れを明確に理解し、様々な表現に取り組む。
デジタルアーカイブ専攻科目
伝統文化特講
伝統文化に関する知識や理解をふまえたうえで、教育に関する分野の研究では教育基本法や学習指導要領に基づいた伝統文化の教材化とその利用について、文化情報あるいはデジタルアーカイブの開発研究に関する分野の研究では有形・無形文化財、伝統芸能、地域の文化活動撮影記録、管理保存、提示、活用に至るデジタルアーカイブの開発とその利活用などについて学修する。
地域文化特講
地域文化のデジタルアーカイブについて、文化の理解、撮影記録、保存(保管)、利活用などの各プロセスの概要を理解し、撮影方法や機材、記述のためのメタデータについて実践に即して考察する。最終的に身近な地域文化のデジタルアーカイブなどへの適用方法について学修する。
文化学特講 -日米文化の比較-
文化には、精神文化から生活文化まで、あるいはエリート文化から大衆文化、さらにはサブカルチャーと呼ばれるものまで、多様な局面がある。このような複雑な成り立ちの文化を抽象的に「文化」のひとことでまとめてしまうのではなく、日本とアメリカに生じてきたさまざまな文化現象、あるいは文化問題にそくして具体的に受け止め考察する。
社会言語学特講 -言語と社会-
人間は社会の中に存在している。社会とは人間と人間との結びつきであり、最も根本的な結びつきは言語を通して行われる。この授業では、言語を分析することにより、社会と人間の関わり、人間と人間の関わりを社会言語学の観点から見てゆく。そこでは、性別、年代の違いによる言語、差別語、外国語と母語、言語政策など、様々な視点から検討してゆく。
デジタルアーカイブ文化 政策特講
デジタルアーカイブ化の対象となる文化的価値の評価、デジタル保存・管理のための技術、法と倫理などの基本的な理論について国内外の事例を通じて修得する。また、最新のデジタルアーカイブ化に関する世界的動向と研究動向について調査し理解する。各省庁の資料、閣議決定等を参考に著作権法や「デジタルアーカイブ整備推進法」等法制度整備の方向性を理解し、考察する。
デジタルアーカイブ特講 I -ナレッジマネジメント(知的創造) -
デジタルアーカイブは、知的財産として過去から現代までのあらゆるデータを保管して次の世代へ伝承するとともに、国内外で流通し活用することで知的創造が可能であることから、知識基盤社会を支えるために重要な手段である。そこで、デジタルアーカイブの活用およびデジタルアーカイブを用いた知的創造である知の増殖型サイクルについて学修する。
デジタルアーカイブ特講 II -デジタルアーカイブ研究論-
知識基盤社会において、デジタルアーカイブについて責任をもって実践できる専門職であるデジタルアーキビストが必要とされている。そこで、デジタルアーキビストの学術的な基礎として、デジタルアーカイブに関する歴史から我が国の動向並びにデジタルアーカイブの課題を学ぶ。
デジタルアーカイブ特講 III -メディア論-
公文書の収集、保存、管理、利用を主たる目的として始まったアーカイブズは、その規模と対象が広がった。それぞれのアーカイブは独立して存在するのではなく、連携し情報の集合体・知識基盤としての様相を強めてきた。そこで、集合体としてのアーカイブ及び、いわゆる組織アーカイブや収集アーカイブに関して、メディア論の視点から、文化、教育、自治体、産業を考察する。
文化情報管理特講 -知的財産権等権利処理-
知的財産権等権利処理について、デジタルアーカイブ研究開発の側面から実践的な開発事例を通じて解説する。基本的な理解を踏まえ著作権、肖像権、プライバシー保護等のデジタルアーカイブに関わる権利処理の最新の動向を理解し、実践力を習得させる。それらをめぐる政策的課題を解説し、法制度等解決可能性を考察する。
アーカイブ研究 I -文化資料研究-
多様なアーカイブの中から教育学習資料に着目し、そのアーカイブ化について実践的に考察する。これまで、教育学習資料は人類の知的遺産の中から精選されたものを、教育内容や目的、発達段階ごとに編纂されてきたが、文化財のオープンデータ化が進展することにより、一次資料の利用が容易になっている。このような状況を踏まえ教育学習資料を有効に活用するためにはどのように収集・記録・整理・保存していくべきなのかを考察する。
アーカイブ研究 II -MLA資料研究-
図書館、博物館、公文書館等デジタルアーカイブ提供機関において、対象資料の文化的価値の評価、デジタル保存・管理のための技術、著作権、肖像権、個人情報保護、プライバシー等に係る権利処理や倫理への対応など基本的な処理がどのように行われているかについて国内外の事例を通じて研究する。併せて、デジタルアーカイブ提供に関する国際的動向について調査研究し理解する。
アーカイブ研究III -オーラルヒストリー研究-
オーラル・ヒストリーの歴史的背景と意義を理解し、各種事例からオーラル・ヒストリーのデジタルアーカイブ化のための記録プロセスとその留意点について学修する。最終的に、オーラル・ヒストリーのデジタルアーカイブ化の実践として話の記録およびコンテンツ化について演習を行う。
実践研究I
デジタルアーカイブの理論と実践を、具体的に考究する能力を涵養する。最終的に、考究した調査研究の成果を論文としてまとめ、デジタルアーカイブ学会または日本教育情報学会、デジタルアーカイブ研究会等の開催する研究会・フォーラムで発表し、社会に発信することによりデジタルアーカイブの振興に資する。
実践研究II
デジタルアーカイブは、さまざまな分野で必要とされる資料を記録・保存・発信・評価する重要なプロセスである。今後、知識基盤社会おいてデジタルアーカイブについて責任をもって実践できる専門職であるデジタルアーキビストが必要とされている。ここでは、デジタルアーキビストの学術的な基礎として、地域資源デジタルアーカイブに関する手法やデジタルアーカイブの課題を実践的に学ぶ。
文化メディア演習
文化情報には、文化財、文化活動など、有形のモノから無形のモノまで多種多様にあり、またそれらを固定する媒体も、静止画、動画、アニメーションなど様々である。そこで、それら各種メディアの特性を理解し、総合的な文化情報の管理、流通を行うための、撮影方法や処理方法について演習を行う。
デジタルアーカイブ演習
文化財・地域の文化活動など、文化に関する情報の記録・デジタル化・データベース制作およびメタデータとしての情報カテゴリーの構成、シソーラスなど、文化情報の管理・流通に関する演習を実践例をもとに行う。さらに、岐阜女子大学文化情報研究センターで管理されている国内外の文化情報を用いて、高度なデジタルアーカイブ化のスキルを身につける。
問合せ先 | 0120-661184(入試専門ダイヤル)ホームページはこちら |
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