法律の学習に慣れていない未修者へのフォロー体制は、未修者コース志望者にとっては重要なポイントだ。未修者の脱落を防ぎ、未修の司法試験合格率を高めることは、多くの法科大学院にとって喫緊の課題。そのため、新たな取り組みを始めている法科大学院もある。入学前にプレ講義などを開催する法科大学院や、教員による定期的な面談、チューターによるきめ細かな学習指導などが充実している法科大学院も増えている。一方、未修者フォローにそこまで力を入れていない法科大学院もあるので、未修の先輩の声は要チェック。また、初学者にも理解しやすい授業が行われているかもチェックポイントだ。法科大学院には入学定員が200人を超える大規模校もあれば、50人以下の小規模校も多数。なかには定員十数人というところも。大規模校は同期の人数が多いため、幅広い人たちと卒業後の仕事にも生きるネットワークを築くことが可能。ただし、人数が多いため、コミュニケーション力が高くないと、人間関係を広げられず孤立してしまうリスクも。教員の目も小規模校に比べると届きにくい。一方、小規模校はクラス全員が顔見知りで親密な間柄になる。そのため、内気な人でも人間関係は築きやすく、教員の目も届きやすい。ただし、トラブルなどがあると逃げ場がなくなるリスクがある。Bさん商学部からでも未修なら大丈夫?未修者のフォロー体制などもチェック未修志望なら未修の合格率を要チェック。未修者フォロー体制も確認を未修者の支援体制や授業内容にも実は大きな差がある小規模校を選ぶのか大規模マンモス校を選ぶのか司法試験合格率の高い法科大学院を選ぶべき?●国立大学商学部2年●小説などを通して弁護士を 志望するように●仲間と切磋琢磨して燃えるタイプ●非法学部なので未修を志望Bさん ンフィクションを何冊か読んで、弁護士に興味を持つようになったんです。商学部なので無理かなと思っていたら、法学部以外でも法科大学院に進学できるって知って。それなら思い切って目指してみようと。田中先生 ートした理由の一つは、幅広いバックグラウンドを持った法曹を養成することです。ですから、すべての法科大学院では、非法学部を対象とした未修者コースを設置しています。Bさんももちろん挑戦可能ですよ。Bさん コースですよね?田中先生 ん。予備校などで2年程度対策をすれば既修も目指せます。Bさん ただ、大学生の間はサークルでの活動を頑張りたいんです。田中先生 でいくのもいいでしょう。ただし、できる範囲で法律の勉強は早めに始めたほうがいいですよ。ちなみにどの法科大学院を目指すかはもう考えているのですか?Bさん にあって、とにかく司法試験合弁護士が活躍するノ法科大学院がスタ私の場合、当然未修者そうとも限りませそうなんですね! それなら未修一本自宅から通える範囲格率が高いところですね。法学部の先輩に聞いたら、そういうアドバイスをもらったんで。田中先生 ちょっと待ってください。その合格率とは……。Bさん 毎年ランキングが発表されているじゃないですか。その上位校ってことです。田中先生 あれは全体の合格率なので、未修志望のBさんは未修の合格率をチェックしないと。全体の合格率は既修が引き上げていますから。Bさん あっ、確かにそうですね。意識してなかった……。田中先生 未修者は法律の勉強に慣れるまでに時間が掛かることも多いので、未修者のフォロー体制やチューターの充実度などをしっかりチェックしたほうがいいです。それがうまくいっている法科大学院が、結果として未修の合格率を伸ばしている傾向にありますから。Bさん 数字の背景も調べたほうがいいってことですね。田中先生 そうですね。未修者コースでも、法学部出身の学生が多いことや、成績不振者は進級させないことから合格率が高いという可能性も考えられます。Bさん あと、学生の人数が法科大学院によってだいぶ違いますよね。あれって意識したほうがいいんですか?田中先生 多い分、仲間を数多く作れるという意味でおすすめですが、とり残されるリスクもあります。小規模校はクラスの人数がもともと少ないので、無理をしなくても親密になりやすく、教員の目も届きやすいです。Bさん 私は仲良くなったらしゃべれるんですけど、基本人見知りで……。だとしたら小規模校がいいのかな。大学のサークル活動や高校の部活動でもそうなんですけど、仲間がいると頑張れるタイプなので。田中先生 だったら、校風を含めた環境も重要なポイントになりますね。大規模校は人数が profile現在、国立大学の商学部2年生。書籍などを通して、商学部とは関係のない弁護士の仕事に興味を持つように。目標は未修者コース。性格はおとなしめだが、実は、高校の部活動や大学のサークル活動では仲間と切磋琢磨することで燃えるタイプ。0403
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