Aさん法学部の成績は中程度。未修選択が無難?やりたいことが学べる大学院かどうか受験まで1年以上あるなら今から既修を目指すべき。未修併願でリスクは回避可能大学院の目標・方針と自分の目標が合致するかカリキュラムが自分の目標に合致しているか既修と未修、どっちを選ぶべき?●私立大学法学部3年●英語が得意なので、「国際的な 舞台で活躍する法曹」志望●学部の成績は平均レベル●経済的には余裕ありAさん るのですが、最近になって周りの話を聞いていたら、法学部でも未修を選ぶ人がいるって知って。自分は学部の成績に自信があるわけでもないので、未修のほうが無難でしょうか? 裕があるみたいで、親に聞いたら、3年コースでも大丈夫だから自分の好きなほうを選べって言われたんですが。原先生 信がないからと未修を選ぶ人もいます。しかし、Aさんは大学3年ですよね。それだったら、私は既修を目指すことをお勧めします。Aさん 進学後の既修の勉強はかなりハードだと聞いていますし、ついていけるか心配で。原先生 の力をつけるために重要なのは、「試験を前にして本気で法律の勉強をした期間」なんです。既修卒業生の司法試験合格率が高い要因の一つは、法科大学院の既修者試験のために本気で勉強してきた人たちだからというのもあります。Aさん 今から既修者試験の対策を始法学部に在籍していウチは経済的には余確かに法学部でも自でも、大丈夫かなあ。司法試験合格レベルなるほど……。でも、めて間に合いますか?原先生 1年以上あれば可能性は十分あります。ただし、学部の勉強だけでは十分ではありませんから、予備校などを利用することが条件ですね。Aさん そうか、それでもし合格できなくても……。原先生 併願可の法科大学院なら未修も受験できますから、そのときは未修に進めばいいんです。Aさん 既修者試験対策で本気で勉強した経験は無駄にはならないってことですもんね。原先生 その通りです。Aさん あと、英語が得意なので、将来は国際的に活躍する弁護士になりたいんですが、法科大学院を選ぶ際は、こういった将来の目標なども踏まえて考えたほうがいいでしょうか? それより司法試験合格率の高さにこだわったほうがいいんでしょうか?原先生 もちろん司法試験に合格しなければ弁護士にはなれませんから、司法試験合格率の高さは重要です。ただし、合格率の細かな差にあまりこだわる必要もないと思います。国際的な舞台で活躍したいなら、グローバル人材の育成に力を入れている法科大学院や外国法の授業、英語による授業が充実している法科大学院をよく調べてみましょう。Aさん 教育方針やカリキュラムって法科大学院ごとに違いがあるものなんですか?原先生 ありますよ。例えば、法科大学院によっては地域に根ざした法曹の育成に力を入れているところもあります。アドミッションポリシーを見ればその点はチェックできます。また、カリキュラムに関しては、法律基本科目や実務基礎科目には大きな違いがありませんが、展開・先端科目は各法科大学院によって個性があります。Aさん 参考になりました!早速調べてみます!パンフレットやホームページに掲載されている3つのポリシー(アドミッションポリシー、カリキュラムポリシー、ディプロマポリシー)、あるいは、研究科長・専攻長のメッセージは、その法科大学院の根本的な理念を理解し、自分の目的に合致するかを確認するための重要なポイントだ。アドミッションポリシーやトップのメッセージには、例えば、「地域に貢献する法曹の養成を目指す」「国際的な分野で活躍する法曹を養成する」といったようにその法科大学院が育成しようとする人材像が記述されていることが多い。どのような法曹になりたいかをしっかり考えたうえですり合わせてみよう。法科大学院のカリキュラムのうち、法律基本科目や実務基礎科目は、修了に必要な科目・単位数が全法科大学院共通で定められているため、科目ラインナップとしては大きな違いはない。注目したいのは展開・先端科目。ここに各法科大学院の個性が表れているので、科目名や教員陣をしっかりチェックしておきたい。例えば、外国法の科目・教員が充実している法科大学院、企業法務や金融法、知的財産権に強い法科大学院、環境法に強い法科大学院などがあるので、自分が将来進みたい分野に強みをもつところを調べてみよう。将来の実務に直結する専門性を養うためにも重要な項目だ。 profile現在、私立大学の法学部3年生。大学進学時は将来のイメージは漠然としており、法学部に進学したのもなんとなく。英語が得意なこともあり、最近になって「国際的な舞台で活躍する弁護士」を志望するように。経済的には比較的余裕あり。0201
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