早稲田大学ビジネススクール(WBS)は2019年3月のEQUIS認証取得に続き、2020年2月にAACSB認証を取得した。ダブルクラウンの意義とWBSのこれからについて、研究科長竹原均教授に聞いた。
たけはら・ひとし
筑波大学社会工学類卒業、同大学院博士課程社会工学研究科単位取得退学。博士(経営工学)。日本ファイナンス学会理事、日本経営財務研究学会評議員。2020年9月より研究科長。専門分野は、アセットプライシング、ポートフォリオマネジメント
早稲田大学ビジネススクール(WBS)は2019年3月のEQUIS認証取得に続き、2020年2月にAACSB認証を取得しました。いずれもマネジメント教育分野での権威ある国際認証で、WBSの教育研究事業が世界最高水準の品質であることが国際的に認められた形です。国内のビジネススクールでも数少ない英語で全教育を行うプログラムも提供し、多国籍の学生が学ぶ国際的な環境であること。そして、研究者教員に加えて経験豊富な実務家教員が多く在籍することによる、産業界とのつながりの強さなどが高く評価されています。
これらの国際認証取得を、われわれはゴールではなくスタートだと捉えています。認証機関による審査は継続的に行われ、今後は、前回と比較しての向上度合いが問われます。「より質の高い教育を提供する」という意識をすべての教職員がしっかりと共有できていることが、WBSのビジネススクールとしての一番の強みだと考えています。
ダブルクラウン
WBSは、ビジネススクールの世界的な3つの認証機関の内、2つの認証機関の認証を受けている。これは「ダブルクラウン」と呼ばれ、国内ではわずか2校が獲得している。
- EQUIS
欧州を拠点とする認証機関EFMDによる認証。全世界で約200のビジネススクールのみが取得している国際認証。 - AACSB
アメリカのビジネススクールが中心となって発足した国際認証機関。全世界で約1000校、国内で取得しているのはごくわずか。
多様かつ急速に変化する社会において、ビジネスリーダーは問題の本質を見極め、解を創造・実行しなければなりません。WBSのミッションの1つ目であるactionable management knowledgeは、その時に不可欠な知識です。WBSの教員には、コンサルティング業界など実業界でトップとして活躍してきた実務家教員、それぞれの学術分野で高い実績を誇る研究者教員。この「実践知」と「学術知」が高いレベルで融合し、学生それぞれのニーズに応える優れた学びの場を提供しています。
WBSは、グローバルな視点と強い倫理観を持って社会的課題を見極め、解決していくリーダーを育成したいと考えています。これがミッションの2つ目に掲げるinsightful and responsible global leadersです。WBSには、英語で全教育を行うプログラムがあるため、多国籍の学生が学んでいますし、海外のトップスクールとの学生・教員レベルの交流が盛んです。その結果WBSでは、おのずと異文化交流が行われ、グローバルな視野が身につきます。
実践知の創造、リーダーシップの醸成には、学生が相互にあるいは教員と議論し、新たな考え方を創造していくダイナミックな学習が不可欠です。この学習の場が、ミッションの3つ目のa dynamic learning communityです。WBSは、多様なバックグラウンドを有する多くの優れた学生が集う、素晴らしいラーニングコミュニティを形成しているだけでなく、世界に広がるネットワークや同窓会組織であるWBS稲門会を通した縦の交流も大きな財産となることでしょう。
多くの優秀な方がWBSで学び、ご自身のキャリアアップ、キャリアチェンジを実現されるとともに、社会の諸課題の解決、ビジネススクールの発展に一緒に力を尽くしていただけることを願っています。