キャリアガイダンスVol.434
17/66

いろな人と交流しながら視野を広げるのは楽しい」と思えたのです。飯野高校には、マイプロ以外にも発表や交流の場がたくさんあるので、人前で話すのも前ほど苦手ではなくなりました。 卒業後は看護の学校に進みたいと思っています。将来、地元で子育て支援をやりたくて、探究活動でもその必要性を感じたのですが、相談に乗ってあげたくても自分にはまだわからないことが多くて、もっと専門性を高めたい、と思ったからです。しました。結果的に、今まで文化祭に来られなかったご高齢の方にも見てもらえて、お手紙まで頂いて。自分の固定概念に縛られず、みんなで新しいものを創り出す大切さを学びました。 自分たちで動けたのは、1つ上の先輩が生徒会活動を改革するのを見ていたからだと思います。先生たちも提案を受け入れて「ここをもう少し考えたら?」とアドバイスしながら協力してくれたんです。だから僕らも「自分たちで変えるのが当然なんだ」と思って企画していました。 長野県中信地区には生徒会の交流会があるのですが、そこで「他の学校ではそんな企画や活動をしているんだ」と知ったことも、よい刺激になっていました。さらに今年は、中信地区だけでなく長野県全体の生徒会で集まるオンライン交流会も僕らで企画しました。悩みを話し合い、みんなの意見をまとめて県教委に伝え、高校生の思いがもっと大人に届くようにしたかったからです。度も話し合った甲斐がありました。 実は文化祭については、実行委員長の僕は「文化部の発表のためにリアルでやりたい」と主張していました。でも他の生徒から「命に変えられない」と説得されて。それでも発表の場は作りたくて、アイデアを出し合い、事前に文化部の動画を撮り、文化祭当日にライブ配信を行い、地元紙に掲載した二次元バーコードから動画再生もできるように 僕ら生徒会は、春にコロナ対策のためにオンラインで生徒総会を開きました。YouTubeと音声チャットアプリを使い、みんなには自宅からの参加をお願いし、アプリの機能で、生徒会の予算案や議案への投票を行ったんです。全校957名中937名が参加してくれて、オンラインを活用して文化祭を行う案も承認されました。絶対中止にしたくなかったんです。生徒会や各委員会で何 自分の経験からしても、高校生はある程度自分で考えて結論を出すことができる、と言えます。だから、全国の学校の先生には、方針を先に決めすぎないでほしいな、と思っています。随時相談にのってもらえ、高校生が自分から動ける状態にしてくれると、それによって僕らだけでは見えないことにも気づき視野も広がり、一緒に考える楽しさを知ることができるからですたんです。 先生たちが自分たちの案を否定せず、「いいじゃん、やってみよう」と前向きに支えてくれたのも大きかったです。メディアにも取り上げてもらって、近所の人や企業の方からも反応があり、「自分たちのやったことがいろんな人に伝わる」のって、すごく嬉しいなあ、とも思いました。 同じ世代の高校生には、自分より悔しい思いをしている人もいると思うんです。でも、お互いに腐らずにいけたらな、と思います。この悔しさをバネに変えられたら、きっと強いので。ともあって、自分の興味も広がりました。学んだことを基に何か作るなら、人に役立つものを作りたい、とも思ってい新型コロナ対策装置の開発に挑んだ6人のチーム。ウイルスの特徴や対策方法の調査を6人で行ってから、2人組で3つの装置を開発。完成後、実際に学校で使用する予定だ。ライブ配信もした文化祭。開始時にみんながそれぞれの場からクラッカーを鳴らし一体感を楽しむ工夫も。松岡さんも手作りバズーカ型クラッカー(上の切り抜き写真で脇に携えたT字の物体)で号砲を鳴らした。自ら動くと世界が広がった松本県あがたがおかケ丘高校(長野・県立) 松岡大輝さんオンライン文化祭を開催浮かび上がった教育格差 学びを進化させる「6つの視点」体験活動172020 OCT. Vol.434

元のページ  ../index.html#17

このブックを見る