カレッジマネジメント209号
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23シミュレーションの結果の高校タイプ別の合格者数(全体と男女内訳)、残留率(後述)を示したのが図表1である。まず、「①従来型(教科のみ)」で難関大学への合格者100名の内訳を見ると、その約半数(48.0%)が進学校タイプで占められる。受験生全体に占める進学校受験生の割合は12.3%であることから、進学校の合格率が圧倒的に高いことが分かる。全体の合格率が2.9%であるが、高校タイプごとに見ると、進学校=11.3%、中堅校=4.9%、多様校=0.7%、その他=3.2%となっている。次いで、3つの新たな採点方式ごとに合格者の高校タイプ別内訳の変化を見ると、(1)「②総合能力判定」では、進学校タイプとその他タイプで「①従来型」より合格者が減少し、中堅校タイプと多様校タイプで増加した。(2)「③主体性予備選抜型」を見ると、「②総合能力判定」に比べさらに進学校タイプの減少が著しい。その減少は中堅校タイプの増加につながっている。(3)さらに「④主体性参考型」を加えてみると、主体性評価のウエイトが弱まることにより、進学校タイプが「③予備選抜型」に比べ増加している。また中堅校の合格者数がこのケースで最も多くなる。次に、男女の内訳に着目してみると、シミュレーション結果難関大学への合格者はどう変わるのか(4)「①従来型」では男女の割合は47:53で女性がやや多い。それが、3つの採点方式ではいずれも女性の比率がさらに増加。つまり、大学入試が多面評価に変わることは女性に有利に働くと考えられる。とりわけ「②総合能力判定」では男女比が37:63となり、女性の増加が著しい。採点方式によって以上のような変化が予測されるものの、高校タイプ別では、進学校タイプが40%前後を占めて最多、次いで中堅校、多様校、その他、という順は変わらない。では、合格者の顔ぶれはどの程度変わるのであろうか。受験生の関心事としてはこのほうが大きいかもしれない。そこで、「従来型」の合格者のうち、新たな採点方式でも合格している割合(残留率)を、3つの採点方式それぞれについて計算した。これを見ると、「②総合能力判定」では残留率は45%で半数以下となっている。「③主体性予備選抜型」、「④主体性参考型」を見ても56%、60%と残留率は半数をやや超える程度で、いずれにしても難関大学合格者の顔ぶれは、合格ランキング常連校の顔ぶれ以上に大きく変わるであろうことが分かる。次にこの受験生3445名のデータを基に、3つの能力「教科合格者の顔ぶれは約半数が入れ替わる「従来型」合格者が大幅に減少3つの能力は微妙な相互関係「主体性」の評価割合が大きく影響リクルート カレッジマネジメント209 / Mar. - Apr. 2018図表1 シミュレーション結果■採点方式別の合格者数合格者数と%(採点方式別)高校タイプ受験者全体①従来型(教科のみ)②総合能力判定③主体性(コンピ)予備選抜型④主体性(コンピ)参考型人数%人数(内訳)%人数(内訳)%人数(内訳)%人数(内訳)%男性女性男性女性男性女性男性女性進学校42312.348113748.04463844.04173441.04583743.3中堅校51314.92519625.029171229.031191231.03324931.7多様校2,10661.1146814.01761117.01771017.0168815.4その他40311.71311213.0108210.0119211.010919.6合 計3,445100.01004753100.01003763100.01004258100.01044955100.0高校タイプ①従来型②総合能力判定③主体性(コンピ)予備選抜型④主体性(コンピ)参考型うち従来型残留率うち従来型残留率うち従来型残留率進学校48442348%412654%452756%中堅校25291040%311352%331664%多様校1417536%17857%16857%その他1310754%11969%10969%合 計1001004545%1005656%1046060%※②総合能力判定(教科+リテラシー+コンピテンシー)の採点方式にした場合の、①従来型の合格者のうちの合格者数と残留率を算出④主体性(コンピ)参考型③主体性(コンピ)予備選抜型②総合能力判定①従来型100455660特集 学修成果の可視化に向けて

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