カレッジマネジメント209号
31/72

31始された。プロジェクトデザイン教育とは、問題発見から解決にいたる過程・方法をチームで実践する必修17単位の教育であり、カリキュラムの主柱になっているものだ。その内容も興味深いところだが、ただ、この文脈で急ぎ強調しておきたいのは、こうした改革の延長上にある現在進行形の動きについてである。即ち、2015年度以降、プロジェクトデザイン教育をはじめとする授業は、「eシラバス」を核としたパワーアップが図られている。さらに学生が学修の成果をより分かりやすいかたちで確認することができる「自己成長シート」の構築が試みられている。そして、この「eシラバス」と「自己成長シート」こそが、現在、金沢工業大学が「学修成果の可視化」をめぐって進めているチャレンジを説明するキーワードになっている(図1)。そもそも金沢工業大学は、「学修成果の可視化」にもいち早く取り組んできた大学である。例えば、ルーブリック評価への挑戦は、既にプロジェクトデザイン教育導入と時期を同じくして始まっている。全学的に擦り合わせた共通のルーブリックを作成したうえで、科目の特徴に合わせた評価が行われる。成果の評価方法に悩む大学が未だ多いなか、ルーブリックについて、「20年以上やっている」「シラバス上で評価項目と基準が明確になっているので、齟齬はないです」と語る大澤敏学長の説明は、金沢工業大学の強さを示す証左だと言えよう。加えて、学生の成果物をポートフォリオというかたちで保存し、担任との定期的な面談やオフィスアワー(一週間に一度という頻度)に使用するだけでなく、就職活動時にそれを活用し得る体制も築き上げてきた。金沢工業大学は就職率の高さでも知られるが、このポートフォリオによる学修成果の可視化がうまく機能してきたからこそのことだとみることもできる。しかし、金沢工業大学の挑戦は、その先へと進んでいる。ルーブリック評価やポートフォリオの使用は軌道に乗り、シラバスの見直しも図っている。そのうえで試みたのは、それリクルート カレッジマネジメント209 / Mar. - Apr. 2018大澤 敏 学長教育課程編成・実施の方針実技教育実験・演習コンピュータリテラシー学位授与の方針入学者受入の方針教育研究プロジェクト学習プログラムKITインターンシッププログラムグローバル人材育成プログラム補習教育・発展教育正課教育(授業)正課外教育(課外活動)学部教育ポートフォリオCLIP 評価指標自ら考え行動する技術者高校生連携企業や技術者と産学連携地域住民や高校生と地域連携学生の学習自己点検教員による成績評価ユニバーサル化グローバル化社会の要求(社会人としての基礎力)学内インターンシップe-シラバスプロジェクトデザイン教育プロジェクトデザインⅢ(4年次)専門ゼミ(3年次)プロジェクトデザイン実践(2年次)プロジェクトデザインⅡ(2年次)プロジェクトデザインⅠ(1年次)プロジェクトデザイン入門(1年次)知識教育数理教育人間形成教育キャリア教育教養教育・技術者倫理専門教育英語教育CDIOConceive - 考えだすDesign - 設計するImplement - 行動するOperate - 操作・運用する学生主体で年間300日活動できる夢考房キャンパス多様な解がある問題に挑戦できる高度な研究環境学生同士で学び合い、議論し、ものをつくり実験できるワークスペース実社会のリアルな課題に取り組み、解決策を創出総合力学力基礎力専門力人間力社会で活躍できる力特集 学修成果の可視化に向けて図1 金沢工業大学の教育システム一歩先へ行く「可視化」をめぐる挑戦

元のページ  ../index.html#31

このブックを見る