カレッジマネジメント209号
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34日本赤十字九州国際看護大学は、学校法人日本赤十字学園が設置する看護大学のひとつとして福岡県宗像市に2001年に開学した、教員数46名、在学生数480名の大学である。日本赤十字学園が設置するほかの5つの赤十字看護大学と同様に看護学に特化した単科大学であるとともに、東南アジアに近い立地を活かした国際活動に特徴を見いだすことを意図して、唯一「国際」が名称に付与されている。日本赤十字九州国際看護大学は、「『学士課程』と『看護現場での現任教育』のシームレスな接続を目指して」として、平成28年度大学教育再生加速プログラムのテーマⅤ「卒業時における質保証の取り組みの強化」(以下、AP事業)に選定された。この事業は、看護基礎教育からエキスパートナース育成までの一貫した教育システムを確立することで、看護職の早期離職を防ぎ、生涯を通して学び続けられる環境を整備することを目的とするもの。大学在学中の学生の学修成果を卒業後の就職先での職務とつなぐことを意図した意欲的な取り組みである。今回、このAP事業を中心に、学修成果の保証についてどのような取り組みがなされているか、田村やよひ学長と小林裕美教授・AP実行委員長にお話をうかがった。日本赤十字九州国際看護大学のAP事業の具体的な内容は、(1)3つのポリシーに基づく体系的で組織的な教育赤十字と国際に紐づく3つのポリシーの確立、(2)学士課程教育と就職先での現任教育とをシームレスに接続する「看護職キャリアパス基礎スケール」の開発、(3)「ディプロマ・サプリメント(学位証明書補足資料)」の開発で構成されている。そこで、まずは、3つのポリシーの策定経過とその特徴を確認しておきたい。日本赤十字九州国際看護大学の教育は、赤十字の「人道・公平・中立・独立・奉仕・単一・世界性」という7つの普遍的な原則(赤十字の基本原則)のもとに、人間の尊厳、人権を大切にするとともに、人々の健康と命を守ることを第一の理念に掲げている。特に日本は災害が多く、赤十字が様々な災害支援に取り組んできたことが意識されている。このような理念を前提に、「赤十字のナースとしての基本的な力に加えて、国際的な視野を持った活動ができることを教育のなかで強調している」と田村学長は話す。このような建学の理念を前提に、2013年に、アドミッションポリシー(AP)、カリキュラムポリシー(CP)、ディプロマポリシー(DP)の3つのポリシーを策定した。APでは、「人間の尊厳と人権を大切にできる」等、ほかの看護系大学とも共通する内容とともに、「赤十字の理念を理解し国際的活動に関心を持っている」という独自リクルート カレッジマネジメント209 / Mar. - Apr. 2018大学が医療現場と連携し、「エキスパートナース」になるまでのプロセスを可視化田村やよひ 学長日本赤十字九州国際看護大学3C A S E

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