カレッジマネジメント209号
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35の方針を打ち出している。DPには、「人間の尊厳と権利を擁護する力」「自己教育力」「チームで働く力」「問題解決力」「看護の専門性を探求する力」の5項目が設定されている。CPは、8項目で設定されており、DPとカリキュラムや科目区分との関係が明確にされている。その特徴は、まず、赤十字の理念に基づき、カリキュラム編成の主要概念として「人間」「環境」「健康」「国際」「看護」の5つを設定し、「リベラルアーツ・専門基礎科目」「専門科目」の科目区分の役割を明確に示すとともに、各科目がDPとの関連でどのような位置付けにあるのかが具体的に示されていることにある。例えば、「初年次教育科目等によって、主体的・自立的学修スキルを身につけ、学年進行とともに『自己教育力』および『問題解決力』を段階的に育成する」等である。看護教育は、文部科学省・厚生労働省共管の指定規則で教育内容が定められており、124単位の卒業要件単位数のうち、97単位は国の指定の教育内容とされている。従って、個々の大学におけるカリキュラム編成の自由度は少ない。そのなかでも、DPとCPを関連づけ、リベラルアーツ科目や赤十字関連科目を設定することで、赤十字と国際の特徴を出す工夫がなされている。さらに、2012年の中央教育審議会答申の内容を受け、2014年にはアセスメントポリシーを策定した。このことについて、「アセスメントポリシーが一番大切だと感じ、様々な情報収集を行ったうえで定めた。このポリシーを具体化したものがAP事業である」と小林教授は話す。そして2015年に大学基準協会の認証評価を受審した。つまり、認証評価の受審前に、4つのポリシーを整備し、教育のあり方について学内の合意を形成したのである。このような新たなポリシーに基づいて、2016年以降の入学者に向けたカリキュラム改革に取り組んだ。そして、これらのポリシーの整備とその実質化のための新カリキュラムが、AP事業の一部であり、前提ともなっているのである。日本赤十字九州国際看護大学は、これまで各種GP事業やCOC事業に申請したことはなく、競争的資金への応募は今回のAP事業への申請と採択が初めてであるという。定性・アナログに偏りがちな成績評価を組織的と捉え直すリクルート カレッジマネジメント209 / Mar. - Apr. 2018図表1 平成28年度大学教育再生加速プログラムテーマV「卒業時における質保証の取組の強化」取り組みのポイント特集 学修成果の可視化に向けて学修成果の多元的評価多元的評価評価・改善AP助言・評価審議会の評価DSに基づく卒業時の力の評価カリキュラム評価計画に基づく評価アクティブ・ラーニング取組教員の評価制度卒業生追跡調査共通ルーブリックによる評価成績評価PROGテスト自己評価結果カリキュラム・マップの整備カリキュラム・チェックリストの整備カリキュラムの点検本学:学士課程教育:看護基礎教育就職先:現任教育FD研修会の充実授業へのアクティブ・ラーニング手法の導入ラーニング・コモンズスペースの活用主体的学修の促進ディプロマサプリメントの開発卒業時点の到達度を就職先と共有到達度に応じた適切な現任教育エキスパートナース3つのポリシーに基づく体系的で組織的な教育共通ルーブリックの作成現任教育現場からのフィードバック就職先との検討AP助言・評価審議会の評価教育学専門家との意見交換評価結果を学会等で検討作成・改善を行う現場と連携して育てる

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