カレッジマネジメント209号
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45リクルート カレッジマネジメント209 / Mar. - Apr. 2018していますが、評価の観点で、一番配点が高いのが21点の「ブランディング戦略」の項目です。自校の将来ビジョンと今回打ち出すブランディング戦略がどう結びつくのか、自校の特色として浸透させたいイメージをターゲットとすべき層にいかに具体的に浸透させていくのか、ターゲットが抱くイメージを分析し、認知、そして行動へといかに動機づけしていくかといったプロセスの設計、全学的管理体制の位置づけ等、自校のブランディングにつながる活動全般について具体的に考え、実行頂くことを重視しています。研究の中身そのものへの評価は一部に留まり、研究内容が世界的に評価されているかどうかといった点は、事業の主旨ではありません。──つまり、大学の将来ビジョンに確固たるものがあるかどうかが重要となるのでは?将来ビジョンは、ある意味各私立大学・短期大学の建学の精神であり、全ての大学が本来有しているものですが、この事業を通じて、各大学に改めて具体的に考えてもらいたいということも狙いの一つです。大学が掲げるビジョンはあいまいなところも多い。また、建学時の理念やビジョンが明確であったとしても、これまでの社会の変化を鑑み、今の時代に即した実現すべき大学像になっているのかを、その理念等を踏まえ、再考頂くことが重要だと思います。この事業に申請しようとするとその点を考えざるを得ない。これからの自らの大学のあり様がどうあるべきかについて立ち戻って考え、限られた資源を生かしてどの点に戦略を特化していくのかを検討する機会になると考えています。──大規模大学と中・小規模の大学では、戦略の性質も大きく異なることから、タイプAとBに分かれている?そうです。タイプAは「社会展開型」として地域の経済・社会、雇用、文化の発展や特定の分野の発展・深化に寄与する取り組みが対象。タイプBは先端的・学術的な研究拠点の整備により、全国的あるいは国際的な経済・社会の発展、科学技術の進展に寄与する取り組みが対象です。基盤的経費ですので、全ての私立大学・短期大学に共通した支援としながらも、そのなかで特徴に応じて、それぞれの特色化に向けた取り組みに対して優先的に配分しようとする仕組みです。地方の小規模大学であっても、本来有する独自の「売り」をうまく魅力発信し、生き残っていくための取り組み等を支援するためにタイプAという分類を設けています。地域や文化、経済等と密接にブランディングを推進するものを評価しており、結果、地方の私立大学等からも多くの申請を頂き、小規模校や短期大学含め、多様な学校が採択されています。──2017年度の申請の状況は?タイプAが123校の申請に対し33校を選定、タイプBは65校の申請に対し27校選定しました(採択校の一覧は図表3)。全体に申請内容はレベルアップしています。2016年度の公募の際はここまで審査の観点が細分化しておらず、また前身の事業の継続という誤解も一部あり「我々はこういう研究をしたい」と、一部局の研究内容の詳細が書かれているだけのものも散見されましたが、2017年度の申請からは、全学的な観点からの検討プロセスを反映した内容となるよう工夫をしたものが多く申請されていました。人文・社会系からの申請も非常に多く、また、短期大学についても昨年の1校に対して今年は5校が採択され、個性のあるものが選ばれています。──今後に向けた事業の動きは。2017年度の配分は年度末に決定しますが、1校あたり2000万〜3000万円になる見込みです。また、2018年度の公募に向けて、予算案として経常費は1億円増の56億円を計上しており、50校程度の採択をしたいと考えています。3月〜4月には公募を開始できればと考えています。ブランディング戦略は、「言うは易く行うは難し」ですが、原点に立ち戻り、自分の大学が何を目指しているのか、自分達の強みが何かを再確認し、それを社会へどう打ち出し、自らの強みの形成へと好循環させていくのかを考えて頂くことが大切と思います。全学的・組織的な取り組みとして、よりレベルの高いものが多く申請されることを期待したいと思います。

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