カレッジマネジメント209号
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53リクルート カレッジマネジメント209 / Mar. - Apr. 2018員同士の距離も近く、議論に慣れている教員が多い。そのため、「サーバントリーダーシップ」が有効だろうと考え、ワークショップ中心に議論を進めることとした。中心となるコアメンバーは募集しつつ、「多くの人が集まる」「合意を得ながら進む」「プロセスを透明化する」「受けたコメントは極力反映する」等、直接民主主義的な運営を心がけ、誰でも参加できるようWeb上の経過情報閲覧やコメント記載ができるサイトを特設し、学内での議論が活性するよう工夫したという。オープンマインドを掲げる大学らしい発想と言えるだろう。また、ここには職員も参加した。「ポリシーをきっかけに意識を喚起し、共通の行動原理を確認し合うプロセスにしたかった。教員が思うことを伝えると同時に、職員の現場感覚をフィードバックしてもらいました」と平田センター長は話す。スケジュール概観は図表に示したが、初回ワークショップでは未来大のポリシーに必要と思われるキーワードをKJ法で収集・分類し、全体像を構想し、それをポリシー原案の軸とした。翌回観が生まれ、横断コミュニケーションにより得られた知見やつながりも多く、プロジェクトは概ね良い循環の契機となった。片桐学長は、「ポリシーはある程度結晶化しましたが、永続的なものではなく、恒常的に見直しが必要です。時代や社会変化を見据えながら、引き続き本学の価値を高めていきます」と話す。AP策定に伴い求める人材像がある程度明確になり、そこに学力の3要素評価をどう反映するかをこれから検討していくという。「メタ学習という考え方を教職員と学生に全学展開し、それをどう評価・深化させるのかは、CMLの目指す研究テーマそのものなのです」と平田センター長は意気込む。未来大が掲げる「メタ学習力を持って自らの学びを構築するself-regulated learnerの育成」は、まさに社会でその必要性が問われているものであろう。組織の行動原理となる3ポリシーは全学的意思として整備された。今後未来大がどんな「メタ学習的評価プロセス」を開発していくのか。引き続き注目したい。(本誌 鹿島 梓)では文章化された原案を読んで思ったことをどんどん書き込み、それを複数回繰り返すことで少しずつ集約を重ねた。こうしたワークショップを概ね7カ月かけて7回行い、Web上の議論も包含しながら議論を深めていったという。「最終的にはポリシーを文章化した一言一句に至るまで意見を出し合い、議論が白熱しました。なるべく全員の意見を反映するようにしたので、集約作業は困難を極めました」と平田センター長は言う。それでも大学存続の危機意識をかけて組織の行動原理を確認するという目的に照らし、妥協はなかったという。こうしたプロセスを経て、目指すべき独自性と人間性を5つの観点で示すDPが完成した(図表下)。これを核に、各コースでどんなカリキュラムを構築するか(CP)、何を受験生に求めどんな入試を講じるのか(AP)を議論し、2017年3月に全学の魂がこもった3ポリシーを公表するに至るのである。全学を巻き込むプロセスに拘ったことで、日常業務において立ち戻る価値策定プロセスを日常業務に好循環し次につなげるDPにおける5つの観点 ※各項目ごとの小項目はHPを参照のこと■未来大独自の育成能力①システム情報科学に関する高い専門能力 ②研究的態度を支える問題探究力・構想力 ③共創のための情報表現能力・チームワーク力■培うべき倫理観・人間性④自律的に学び続けるためのメタ学習力 ⑤専門家として持つべき人間性ワーキンググループメンバーコアメンバー各コース教授会上旬中旬9月下旬上旬中旬下旬上旬中旬下旬上旬中旬下旬上旬中旬下旬上旬中旬下旬上旬中旬下旬10月11月12月1月2月3月会議①コースCP作成依頼会議②全体・コースDP調整会議④全体・コースCP策定会議⑥AP最終形確認会議⑦3ポリシー横並び確認会議⑤全体・コースDP策定、AP検討会議③コースDP最終調整、全体CP確認DP方向性箇条書き/ガイド作成全体DP素案作成コースDP素案作成コースDP調整 各コースCP素案作成コースCP相互調整全体・コースDP素案調整 全体DP調整 全体CP素案作成AP 素案検討AP【完成】AP最終版作成・調整AP/CP/DP相互調整AP/CP/DP学内パブコメ受付↓最終調整3ポリシー公表全体・コースCP【完成】 全体・コースDP【完成】図表 3つのポリシー策定スケジュール概要とDP5つの観点

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