カレッジマネジメント209号
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58リクルート カレッジマネジメント209 / Mar. - Apr. 2018大学は、最終学歴となるような「学びのゴール」であると同時に、「働くことのスタート」の役割を求められ、変革を迫られている。キャリア教育、PBL・アクティブラーニングといった座学にとどまらない授業法、地域社会・産業社会、あるいは高校教育との連携・協働と、近年話題になっている大学改革の多くが、この文脈にあると言えるだろう。この連載では、この「学ぶと働くをつなぐ」大学の位置づけに注目しながら、学長及び改革のキーパーソンへのインタビューを展開していく。各大学が活動の方向性を模索する中、様々な取り組み事例を積極的に紹介していきたい。今回は、2006年度からチャレンジセンターという組織で社会的実践力の育成に取り組み、今それを全学に拡大させようとしている東海大学で、山田清志学長にお話をうかがった。東海大学の特徴はまず、全国8つのキャンパス、医学部を含む18学部に小さくても強い大学の集合体を志向約2万8000人の学部学生を擁する規模感だろう。全国に14校しかない在籍学生数2万人以上の大学の1つだ。そして山田清志学長は、「にも拘わらず『小さくて強い大学の集合体』を志向しているのが、東海大学の特色的なこと」と言う。「根っこのところは、創立者・松前重義氏が掲げた建学の精神。大きく2つあって、1つは世界平和に貢献する人材、もう1つは科学技術立国を支える人材です」。その育成というミッションのために、「せっかくここまで規模感のある大学だけれど、あえて規模感に逆らうようなことをやってきた」と言うのだ。「大きいからといって必ずしも安泰ではありませんからね。大きいからこそ、恐竜のように絶滅してしまう可能性もある。環境の変化に対応して、非常に小さいセグメントでやっていかなければならないと思います」。東海大学の「学ぶと働くをつなぐ」試みは、2006年4月に発足したチャレプロジェクトを支援するチャレンジセンターンジセンターが、その先鞭をつけた。自ら考える力・集い力・挑み力・成し遂げ力の4 つの力を、現代社会を生き抜き、社会に貢献するために必要な社会的実践力とし、その獲得を目的に、「学生主体の多様なプロジェクト」と「ワークを多く含んだアクティブラーニング型授業」を展開してきた。「教室の中では学べないような実践を通じた教育という、小さい単科大学、あるいは地方の大学でやりやすいテーマを、あえてこの大規模な大学でやってみたのです」と山田学長は話す。学生自身が企画・立案するプロジェクト活動は、それぞれ配置されるプロジェクトコーディネーター(職員)、プロジェクトアドバイザー(教員)の支援を受けながら、大学外の社会で活動する。活動内容は、例えば「地域活性」のプロジェクトなら、キャンパス周辺の緑化活動や定期的な清掃、夏祭りや地元商店街のイベントのサポート、農作業の手伝い、除雪というふうに、地東海大学大規模でありながらも、一人ひとりの学生と向き合う人材育成を目指す山田清志 学長

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