カレッジマネジメント233号
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24リクルート カレッジマネジメント233 │ Jul. - Sep. 2022立教大学経営学部は2006年度の学部創設当初から、少人数制の実践的プログラムでリーダーシップを養う「ビジネス・リーダーシップ・プログラム」(BLP)を開講。2013年度からは、BLPで蓄積したノウハウを活かし、経営学部以外の学生が履修できる「グローバル・リーダーシップ・プログラム」(立教GLP)を全学で展開している。これらプログラムの狙いや成果等について、BLP主査及びGLPを運営するグローバル教育センター 副センター長を務める経営学部准教授・舘野泰一氏にお話を伺った。立教GLPは、経営学部で行われているリーダーシップ・プログラム・BLPを他学部でも学べるようにしたもの。2022年度は、全8科目を開講している。最も目を引くのは、BLPでも展開されている「リーダーシップ入門(GL101)」科目だ。これは、企業と提携して具体的なビジネステーマを設定し、グループワークを通じて学生が主体的に課題解決に取り組むプログラム。例えば、2021年度はシンクタンクのロッケン(東北6県研究所)と提携し、「東北の課題を踏まえて、県外の人を巻き込んで東北地域にプラスをもたらす、新たなアイデアやプロモーションを県外からの視点で考えよ」というテーマで学習を進めた。「成績評価の基準は厳しく授業外学習時間も長いのに、取得できるのは2単位だけ。それでも、学生からの人気は高い。2022年度の立教GLP・GL101は、定員320人に対し約750人の学生が履修を希望。ほかの科目でも、2~3倍の倍率になっています」(舘野氏)。同プログラムの土台にあるのは、独自のリーダーシップモデルだ。上位役職者が部下を引っ張るのが従来のリーダー像だったが、立教大学ではリーダーシップとは誰もが学べ、発揮できるスキルとして、役職や地位に拘わらず、チームの目標を設定・共有するよう働きかける、同僚の行動を支援する、率先して行動することで周囲に良い影響をもたらすものと位置づけている。GL101(リーダーシップ入門)等の授業では必ず、「振り返りの時間」を設けている。ここでは事業プランの善し悪しより、各メンバーがリーダーシップを発揮する中で良かった点、伸ばすべき点を互いに対話し伝え合うことに重点を置く。「ただし、GL101(リーダーシップ入門)の受講者は1年生が多く、互いにフィードバックし合うことに慣れていません。そこで授業では、『どんな状況で・どんな振る舞いをし・周囲にどんな影響を与えたか』を書き込むフォーマットを用意し、そこに書き込むことで伝えやすくするよう工夫。こうしたフィードバックにより、チームの中でどう振る舞えば周囲に相互にフィードバックをし合う振り返りの時間を重視経営学部 准教授グローバル教育センター 副センター長舘野泰一氏立教大学ビジネス・リーダーシップ・プログラムグローバル・リーダーシップ・プログラム少人数の実践的プログラムでの課題解決でリーダーシップ育成Case Studies_1高校教育の中で蓄えられた探究の力を、さらに成長させる高等教育のプログラムとは―4つの大学の独自性ある取り組みを取材した。探究の視点を発芽させる・伸ばす大学

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