カレッジマネジメント233号
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26リクルート カレッジマネジメント233 │ Jul. - Sep. 2022学生の主体的な学びを実現するために、独自の学修スタイル「OIDAI WIL」と、ICT活用をはじめ教育効果を最大化するための教育手法「OIDAI MATCH」を整備し、供給者本位の教育から学修者本位の教育への転換を図っている追手門学院大学(以下、追大)。その狙いと詳細について、真銅正宏学長と大学政策部部長の髙本優一氏にお話を伺った。追大が実践する、主体的な学びを実現する取り組みとして、アカデミック・アドバイザー制度と追大独自の学修スタイル「OIDAI WIL」が挙げられる。アカデミック・アドバイザー制度は、1年次から卒業まで、全学部において学生20人程度ずつでクラスを作り、教員1名がアカデミック・アドバイザーとして相談に乗る仕組みだ。そして、「OIDAI WIL(Work-Is-Learning)」は、主体的に学び、協働して問題解決にあたる追大独自の学修スタイルとして、所定の要件・条件に当てはまる授業や課外活動を「WILプログラム」として登録・認定し、学生達の積極的な参加を促す取り組みだ。いずれも「研究テーマを見つけるのに、ゼミに入る3・4年生から始めるのでは遅い。低年次からゼミのような少人数で教員や学生と話しながらテーマを見つける取り組みを、全学で行いたい」という真銅学長の思いが込められた取り組みだ。「OIDAI WIL」について、真銅学長は「大教室で得た知識を実社会で運用していくには、自ら見つけたテーマに対して知識を応用・活用する力が必要」とも説明する。WILプログラムに登録・認定されているのは、2021年4月時点で正課科目44科目と、インターンシップ等の課外活動、あわせて100以上。「テーマを見つけるためのフックとして、大学が用意した勉強の仕方の例示集としても活用してほし主体的に学び、協働して問題解決にあたる「WILプログラム」で問題発見・解決力を伸ばす学長 真銅正宏 氏追手門学院大学「OIDAI WIL」と「OIDAI MATCH」で自分なりの問いを立て、解決する力と主体性を伸ばす図1 OIDAI WIL の概念図<WILプログラムの3要件>・社会有為:世のため人のために誠意を持って尽くし、今の社会とこれからの社会における答えのない問いに臨むものである・協働性:多様な人々と手を携え、知恵を出し合い、議論を尽くして、答えのない問いに対する最適解を導きだすことに挑むものである・発信性:教室を出て、世代を超え、地域を超えて、既成概念を超えての発信に挑むものである<認定の4条件>・原則30時間以上の活動・教職員による指導がある・活動の記録は追大e-Naviへ・アセスメントやアンケートを行う探究の視点を発芽させる・伸ばす大学Case Studies_2

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