カレッジマネジメント233号
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35リクルート カレッジマネジメント233 │ Jul. - Sep. 2022Z世代とは、いったい誰なのか――。諸説あるようだが、1995年〜2010年ごろに誕生した世代であるとされている。今年度受験を迎える現高校3年生のほとんどは2004年〜2005年生まれであり、まさにZ世代のど真ん中の人々と言える。リーマンショックや、度重なる自然災害、そして現在のコロナ禍を自ら経験するなかで、保守的で現実的で慎重なメンタリティとともに、社会の出来事に右往左往する大人の在り様を見てきた冷静さも持つとも言われている。一方で、幅広い情報に触れることで、多様な個性も培われ、一概に世代を一括りにして把握することは難しいとも言えるだろう。とはいえ、「Z世代とは」の特徴は、SNSを使った情報発信や情報収集のあり方を抜きにしては語れない。「ソーシャルネイティブ」という言葉と同義語であるかのようにセットで語られることが多い。現在、大人たちにとっても、もはやSNSは日常的に浸透し活用しているものである。そのうえで大人たちは、「物心ついたときから」「空気のように」「肌身離さず」スマートフォンに触れているZ世代がその画面越しに触れている情報は、大人には解り得ないものであり、この世代独自の世界観の醸成につながっているのではないかと捉えがちだ。SNSを通じて自在につながって得た情報は、彼・彼女達の日常の行動を左右し、ひいては進学先についての情報を得たり、進路選択の意思決定にも大きな影響を及ぼしているのではないか、と推察もする。また、所有の欲求が低く、モノ消費よりコト消費、ひいてはSDGsの影響を受けて社会的な意義のあることへの投資(イミ消費)を重視する等の側面についても、その特徴として語られることがあるようだ。そんなZ世代の中心にいる高校生達の実態を、大学はどのように捉え、どのような情報を伝え、どのように接していくべきなのだろうか。本企画を、より良い関係性を築くための一助としていただきたい。Interview「チル&ミー」を大切な価値観とするZ世代 マーケティングアナリスト 原田曜平氏DataZ世代は進路検討でどのようにメディアを使い分けているのかInterview新たなチャレンジの連続で若者の心をつかむ 近畿大学 世耕石弘氏ReportZ 世代の価値観や行動を踏まえた募集コミュニケーション事例 武蔵野大学 アントレプレナーシップ学部/関西福祉大学CONTENTS

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