カレッジマネジメント233号
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リクルート カレッジマネジメント233 │ Jul. - Sep. 202252本学は大阪府の寝屋川と四條畷に2つのキャンパスを持ち、工学、情報通信工学、医療健康科学、総合情報学の4学部14学科および大学院、学生数約5800名を擁する大学です。1941年に創設した東亜電気通信工学校を起源とし、2021年に学園創立80周年を迎えました。「『人間力』と『技術力』を育み、自らの力で人生を切り拓いていける実践的な実学教育」を教育理念に掲げ、受け身の授業だけにとどまらず、実験・実習の授業はもとより学生が自由に学べる場を様々なプロジェクトとして数多く提供しています。例えば、授業以外でも、ものづくりの経験ができる「自由工房」、学生がデザインした3Dキャラクターが公式Vtuberとして活動する「電ch!」、eスポーツを企画・運営する「esports project」などがあります。また、本学は開学当初から情報教育の重要性に着目し、取り入れてきました。そのノウハウを社会に還元することを目的として、2018年度に「ICT社会教育センター」を設立しました。地方自治体と連携協定を締結し、学生や教員を派遣してプログラミング講習を行うなど、地域貢献活動を行っています。 大学開学70周年の2031年に向け、2017年度に中長期計画を策定しました。「80年間、目立つ大学より役立つ大学。」を広報戦略に掲げ、15年間を3つに分けた5年単位の中期計画を推進しています。第1次5ヵ年計画(2017-2021年度)は、学園の経営を安定させるという量的安定を目標に、志願者確保のための入試改革や離学率の低減等様々な取り組みを実施した結果、2018年度以降は学生の確保は順調に維持しています。教育・研究では「専門教育×ICT」を打ち出しました。情報通信工学部や総合情報学部はもちろん、全学部学科でICT教育を取り入れた教育を展開しています。なかでも建築学科は、建築工程の情報を統合化したデータベースで集約・共有するプラットフォーム「BIM(Building Information Modeling)」を取り入れた教育を行っています。その強みを打ち出し続けていれば、そこに魅力を感じて来て頂けていると実感しています。さて、私が学長に就任した今年は、第2次5ヵ年計画(2022-2026年度)の1年目に当たります。第2次の目標は質的レベルの向上であり、①教育の質、②研究力強化、③国際化でアプローチします。①教育の質では、ICT教育において学部・学科を超えた全学横断的に展開する「横軸」と、専門分野を深堀する「縦軸」の教育の両輪で推進します。横軸は、本学の学生が身につけるべきリテラシーとして、全学共通情報教育「数理・データサイエンス・AI教育プログラム」を昨年春にスタート、今年度から応用基礎レベルも始まりました。縦軸は、「専門教育×ICT」として各学部の専門分野で特色あるICT教育を展開しています。先ほどの建築学科の取り組みは先駆的な取り組みとして評価され、文部科学省「令和3年度デジタルと専門分野新しい工学教育を創造し、「目立つ大学より役立つ大学」を目指す実学教育とICT教育とともに歩んだ80年間大阪電気通信大学 学長塩田邦成中長期計画で「専門教育×ICT」推進

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