カレッジマネジメント233号
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6リクルート カレッジマネジメント233 │ Jul. - Sep. 2022探究的学修成果の証明 Special Interviewインタビュー事実に基づいた意思決定で、経営・人事課題解決に資することを目的に、ピープルアナリティクスに取り組んでいます。社内の人事データを集めて分析基盤を作り、データを可視化したり、専門的な分析で人事課題解決を支援します。データ活用が組織全体に広がることを目指して、人事社員へのトレーニングも行っています。また、ピープルアナリティクス&HRテクノロジー協会の研究員として、講演等で知見を広めたり、専門家と情報交換をして学びを深め、現場で実践しています。人生の多くを占める「働く時間」をエンターテインメントにするのが私のミッション。実現のためには、多様化する働く人のニーズに応えることが必要です。もし、データサイエンスの力を借りれば、事実に基づいて一人ひとりに寄り添った解決策が提示できるのではと考え、前職でピープルアナリティクス専門のチームの立ち上げに携わり、今のキャリアに至ります。高校時代の「問い」が探究の始まり「人間が世界をどう捉え、どんな感情を抱くのか」の探究の始まりは、高校のころに遡ります。大好きだった人への気持ちが、受験勉強にのめりこむうちに冷めてしまい、「この感情の変化は何だろう?」という疑問に答えてくれた脳科学に夢中になりました。大学では、好奇心の対象だった「人」の問題解決のために、行動を起こすように。アメリカ留学を通して、世界から日本を捉えたことで、日本国民の幸せのために社会を良くしたいという思いがわき、政治に興味を抱きました。そのころ、若者の投票率の低さや政治への関心の低さが問題となっていたのですが、当時は選挙期間中インターネットを使った選挙運動が禁止されていて。主な情報源がインターネットである若者にとって機会損失であり、それ故に意見を発信し、社会に反映することができません。インターネットで情報を得られる環境が必要だと考え、公職選挙法改正を求めた活動に参加し、多くの賛同者の思いが実って、改正が実現しました。今私が幸せにしたい対象は「働いている人」ですが、問題解決のために、探究に終わりはありません。人間の感情を深掘る心理学や神経科学、社会の価値観を観察する文化人類学、行動変容を促すプロダクト開発の知恵を人事の領域でも生かせるよう、学び続けます。丸吉香織 さん(31)ソニーピープルソリューションズ株式会社一般社団法人ピープルアナリティクス&HRテクノロジー協会 上席研究員人は何を感じ、どう行動するか「人が幸せに働く」をデータサイエンスで支える人

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