カレッジマネジメント233号
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63リクルート カレッジマネジメント233 │ Jul. - Sep. 2022(選抜クラス)は、学生の希望と1年生の成績などを踏まえて参加者が選抜される。2021年度は地域から寄せられたテーマから6つを選び、 31名の学生が(地域をフィールドにした)PBLに挑戦した。2022年度は希望者が倍以上殺到しており、どのように差配するか頭を悩ませているところだという。さらに、2022年度からは、「モノづくり実践プロジェクト」においても地域課題解決型教育を実践し、デジタル・AI・専門分野(ものづくり)の掛け合わせによる高度専門人材の育成を目指す。「在学中に全員が何かしらの地域課題解決に係ることが理想です」と小田氏は言う。必修にしているなか、内容についていけない学生が出てくる可能性をどう考えたのか。「工学部の学生としての実践力を身につけることを目指していたので、レベルを落とすことは考えていなかった」と小田氏は振り返る。その代わり、TA・SAの配置、学生対応用にLINE AIチャットボットをSA学生が開発する等、学修支援を手厚くした。先輩が作ったツールだと知れば後輩学生は自分の未来の姿をる経験を多く積ませたい。そのためには、リテラシーレベルであってもプログラミングが必須と考えました」(小田氏)。文科省のモデルカリキュラムはどちらかというと「文系の学生でも必要なリテラシースキル」が前提になっているが、それでは工学部にマッチしない教育プログラムができてしまう。そのため、「結果的にリテラシーレベルのオプション内容を多く含む教育プログラムでリテラシー申請をしました」と小田氏は言う。次に、4年間の体系化されたカリキュラムを組んだことである(図2)。1年次のリテラシー科目と2年次の応用基礎科目を全学必修にし、基礎を固めたうえでAI実装経験を豊富に積む設計となった。4年の卒業研究までにAI関連のスキル修得と地域連携、インターンシップが1つに編み込まれていく仕組みで、専門教育にAIをつなげ、将来を見据えたスキルセットとしてAI科目と卒研が位置づけられている。地域・社会連携はその手段でもあるのだ。なお、2年次から始まるAI活用演習の地域課題解決PBL図1 地域課題解決型AI教育プログラムのコア科目AI概論プログラミング重視AI活用演習選抜クラス授業内外での学生支援授業内外での学生支援普及・公開・協働SAによる演習サポートAIチャットボットによる質問対応オンデマンド動画による予習復習LMSでの学修管理筑後周辺地域の実践的なAIによる地域課題解地域連携Ⅰ・Ⅱ外部コンテンツによる実務直結スキルの修得インターンシップ苦手意識を持つ学生や再履修者等集中講座や動画を活用した個別最適学修支援数学・統計学基礎その他の連携科目基幹教育センターリメディアル教育PCサポートセンターPCスキルの習得支援他大学等学生・地域社会人の参画地域産業界・卒業生等地域連携センターAI応用研究所IR推進センター教育成果の可視化APDC評価・連携教育プログラム改善・進化国内・海外の大学等 地域企業(リカレント教育)応用基礎レベルリテラシーレベル全学生必修全学生必修多様な学生(レベル)に応じた全学的な地域課題解決型AI教育

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