カレッジマネジメント233号
75/92

75リクルート カレッジマネジメント233 │ Jul. - Sep. 2022治と経済を学ぶ「リレー講座」である。理工学部設置の際には「社会のニーズを敏感に捉え、文理の枠を超えた広い視野を持つ人材を育成してほしい」と企業の要請を受け、1年次から政治経済学部と合同で、企業の講師による「文理融合型実学講座」も展開されている。「今後は認知度を上げて受験者数を増やすことで学力の難易度を上げていく」と田野瀬学長。ある調査によると同大学の関西での認知度は35%で、これを今年度は50%にするべく、今まで西日本中心だった広報活動を東日本にも拡大する。具体的には東日本の高校訪問に力を入れ、ターゲット校を500校増やすという。さらに2023年4月にはデータサイエンスに特化した新学部、情報学部を設置届出中。7つ目の新学部も検討しており、今年夏には方針が決まる予定だ。開学10年目に向けた大規模なキャンパス拡張工事も進行中で、情報学部棟やアリーナ、森の公園など、地域と融合したワンキャンパスの総合大学の形が整いつつある。田野瀬学長は「来年度には一気に認知度を上げてブランド力を高め、“東の早慶、西の大和”へさらに一歩前進する」と大志を抱く。 (文/能地泰代)多様なイベントに活用できる約4000名収容のアリーナ。キャンパスの中心部に小川が流れる森の公園は地域住民の憩いの場。規模の、コンパクトかつ、常に時代に合わせ変化し続ける瞬発力ある大学を目指した。開学時の保健医療、教育の2学部から、政治経済、理工、社会と、概ね2年に一つのペースでスピード感をもって進められてきた学部設置からもうなずける(図1)。田野瀬学長が「中高の良い制度は大学にも活用できる」と語る同大学の特徴は、1学年200名に対してきめ細かく進路指導する担任制だ。学生ファーストによる独自のキャリアサポートでは、担任・キャリアセンター・学部の3者が連携。現在どの会社にエントリーしているかといった各学生の就職活動を全て掌握し、一人ひとりの学生を中心に進路指導を組み立てて支援することで、学生満足度を高めている。学部の教育目標も、学生と保護者の一番のニーズである出口の数値目標を設定し、それに向かって各学部の教育がなされている。例えば教育学部は教員採用率で、1年次からの独自の学校現場研修「ヤマトプラン」や試験対策の徹底により、今年(2021年3月卒生、以下同)は86.2%となった。政治経済学部は5000人以上の大企業内定率が今年は45.6%となった。保健医療学部は国家資格合格率100%を徹底し、今年の看護師試験合格率は98.9%をマークした。関西経済会とのパイプを通じた実学教育も強みだ。例えば政治経済学部なら企業経営者からビジネスの最先端を学ぶ「実学講座」や、官僚トップ経験者などの特任教授から政新学部やキャンパス拡張で関西認知度50%目指す

元のページ  ../index.html#75

このブックを見る