「進路面談」って、進路について相談する場だよね…とザックリわかっていても、いざとなると具体的にどういうことをするか、わかっていなかったりするよね。ここでは「面談のプロ」である、大池公紀校長先生にお話をうかがったよ。
どうして夏休み前のこの時期に担任の先生と話すのか、まずは一度自分でも考えてみましょう。わたしは「後悔しないため」と、「進路決定のスタートが遅くなると取り返しがつかなくなるため」だと思っています。例えば高3になると、1週間単位でどんどん推薦などの状況が変わってきます。ベストな答えはすぐには見つからないかもしれませんが、ベターな答えを探すために、早い段階から進路面談をツールとして活用してほしいと思いますね。そして、進路面談は1回で終わるものではありません。定期的に繰り返してやるべきで、大人である先生や保護者の方の意見を交えて、自分自身の進路を決めていくものだと思います。だから、すぐに結論を出そうと焦らなくてもいいんですよ。
進路面談はだいたい30分前後のことが多いですね。先生との二者面談では、半分くらいの時間を使って、まず「自分について」語ることになります。残りの半分で先生のアドバイスをもらうのがいいですね。その際、例えばオープンキャンパスに何校行くとか、次回に向けて具体的な課題を出してもらうのがお勧めです。
保護者を交えての三者面談では、夏前であれば、お互いがどう考えているかということや、夏休みを有効活用して成長するためのアドバイスなどの話が多くなると思います。秋になってからは、成績の話や、今後どうやって受験勉強をしていくかという具体的な話になりますね。
まずは保護者の方と話をしておきましょう。あなたが生まれたときに抱いた希望や期待があると思うので、その頃までさかのぼって話を聞いておいてください。
自分が考えていることを説明しておきましょう。秋になるとだんだん時間的な余裕もなくなってきます。保護者の方と話を するなら、夏までがチャンス!会話はとっても大切ですよ。
漠然とでもよいので、どういう方面に進みたいのか、大学・短大・専門学校のどれに進みたいのかを考えておきましょう。その先の学部や学科、分野についてまで考えられるとベターです。秋には志望校をはっきりしておかなくてはいけないけれど、夏はまだ猶予期間です。オープンキャンパスにたくさん参加しつつ、学びたい分野の学校を積極的に探して絞り込むのがいいと思いますよ。
勉強したい分野の学校を中心に、5~6校まで絞るといいでしょう。例えば美術の場合、美大だけでなく、家政系の学校で造形デザイン、文学部で美術史学を学ぶということもできます。まずは「自分を知る」ことからはじめて、自分にはどんな志向があるのか、何をどんな学校で学びたいのかを決めましょう。
夏前の面談は、自分の考え方に修正を加えることも多いと思います。最初に考えていた方向からまるっきり変わることもあり得るので、いい結果を得るためには、まずは自分自身を見つめ直すことが大切です。
無理に面談をうまく乗り切ろうとしなくてもいいんですよ(笑)。「短い時間で早く終わってよかった」という面談は、実は本音を話せていない場合も多いんです。いろんな話をして、先生や保護者の視点からのアドバイスをしっかりもらっておきましょう。自分自身について口に出して語ることで、自分を生かす方法に気づくこともありますよ。