入学手続きをする際に、入学金を含めた初年度納付金の約6〜7割を納める必要があります。これを期限までに納めないと入学できないので、事前に金額と期日を調べておくことは必須です。
初年度納付金の内訳は、国立大(昼間部)の場合は入学金と授業料で平均82万円。私立大学は施設設備費や実験実習費、諸会費も含まれ、下図のように学部系統によってかなりちがってきます。夜間部は昼間部より安くなりますが、学部は限られます。
初年度納付金は大学1年の時にかかる年間費用。このうち授業料や施設設備費などの後期分は秋に支払うこともできます。それでも私立の昼間部の場合、入学前の手続き時に100万円程度かかることが多いので、事前に準備しておくことは欠かせません。
また、遠方の大学に進学し、自宅外通学になる場合は、入学前に住まいを探して決めておくことも必要です。アパートを借りる際は敷金・礼金、学生寮に入る際も契約時に入寮費や保証金、管理費などがかかるのが一般的。一人暮らしの準備には50万~60万円ほど用意しておくと安心です。
全体の平均額は昼間部で128万円、夜間部で100万円なので、私立大学の文系学部とあまり変わりません。専門学校なら安いと思っていたら大まちがい。
専門学校も私立の場合、専攻分野や学科によって初年度納付金には大きな開きが。初年度納付金には入学金、授業料、実験実習費、設備費などが含まれ、入学手続き時に納めることになります。下図の東京都の専修学校専門課程の平均額を見てみましょう。
分野別の平均額で低いのは「簿記・ビジネス・IT」の107万円ですが、そのなかでも最高額は140万円以上、最低額は60万円台と学校によるちがいも大。医療分野の平均額のなかでも「理学療法・作業療法」は178万円、そのほか高めなのは「製菓」の173万円で、商業実務系や文化・教養関係の分野は100万~130万円台が多いようです。いずれも夜間部はやや安くなる傾向です。
同じ分野でも学校によるちがいが大きいので、ホームページなどで調べ、各学校の特色やちがいを比較検討してみるといいでしょう。
専門学校では、学ぶ分野によって実習に使う用具や服などを自分でそろえなくてはならないことも。一方で、特待生になると入学金や授業料が免除されることもあります。
入学する年に納める初年度納付金は、原則として入学手続き時に1年分をまとめて納めます。
一般選抜で入学する場合、合格発表から1~2週間で、学校ごとに指定された期限内に納めるため、2月から3月に集中します。
総合型選抜や学校推薦型選抜で入学する場合は、高3の秋に納めるのが一般的。総合型選抜で最も早い場合、9月という大学もあり、学校推薦型選抜は11月頃というケースが多いようです。合格発表日と入学手続き日・納付期限を確かめ、早めに準備しておくといいでしょう。
大学の学費には授業料のほか、施設設備費や諸会費なども含まれます。このうち授業料と施設設備費(諸会費も一部含むことがある)は前期と後期で分納できます。2年目以降の学費も、1年分を納めるのは4月で、授業料を分割する場合は後期分を秋に。後期の授業料の納付時期は9月~10月頃が多いですが、大学ごとに決められているので、納付忘れがないように気をつけましょう。
第一志望の合格発表前に、滑り止め校の入学手続きが必要なことも。その場合は先に入学金だけ納め、残りの納付金は次の期限までに納める2段階納付を使うと便利。
大学の場合、国公立か私立かで受験料は異なりますが、一般選抜の検定料はほぼ同じ。ただし、出願方法によって学校ごとに異なる場合も。また下図のとおり、国公立大学では大学入学共通テストの申し込み時と、各大学の受験時の2回費用がかかります。
私立大学では一般・総合型・学校推薦型選抜と、どれも1回の検定料は3万5000円程度が大半ですが、大学入学共通テスト利用選抜はこれより安くなります。またネット出願だと受験料が安くなったり、一度に複数の学部・学科に出願すると割引になる大学も増加中。
最近は1回の試験で複数学部に出願できる統一入試や、大学入学共通テストの利用や併願など、受験方法の多様化が進み、前期・後期と複数回の受験が可能になって、受験にかかる費用の平均額は30万円以上に。また国公立でも私立を併願する人が多いので、入学する学校への納付金とは別に、受験にかかる費用は余裕をもって準備することが大切。専門学校の受験料は1回2万円が一般的です。
上図を見ると、滑り止め校に納める納付金は進学先に関係なくほぼ同額。国公立大学志望者は私立併願が大半なので、その分の費用も忘れずに!
受験までにかかる費用で大きいのは、夏期講習や冬期講習、予備校などの費用。どれも受講する科目数や日数で負担は異なりますが、夏期講習は3科目で10万円前後かかることが多く、塾代は平均で月3万~5万円程度、個別指導塾ではもう少し高くなります。模試の費用は1回数千円ですが、年に3~5回受ける人も。オープンキャンパスで複数の学校を訪問する際の交通費や出願時に提出する書類の郵送料、検定料の振り込み代など、少額の雑費も積み重なれば、けっこうな金額になります。
高校によっては夏休みなどに受験対策の特別講習を実施していることも。それを利用すれば負担は減りますが、参考書や大学別の過去問など、書籍代も出費に。
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大学などの入学式には、スーツを着る人がほとんど。このスーツは就活にも使えるけれど、靴と合わせてセットで買うと数万円。ノートパソコンが必需品になることも。