保護者のための進学
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Q&A まずは基本を押さえて、
不安や疑問を解消しよう!

掲載されている情報は2023/12/23時点の情報です

学費

解決しておきたい
学費の悩み

奨学金を利用するための条件は?
日本学生支援機構では世帯の所得基準のクリアを
種類により学力基準が問われる場合も

奨学金は種類によって採用条件が異なります。日本学生支援機構(JASSO)は学校の種別(国公私立、大学・専門)と、予約採用か在学採用か、給付型か貸与型でちがいがあり、貸与型は第一種(無利子)、第二種(有利子)でも若干異なります。採用枠の多い貸与型の家計基準は下図のとおり。学力基準は第一種が、学習成績の状況(※1)が5段階評価で3.5以上か、一定の条件に該当する人。第二種は学年の平均水準以上です。2020年度から始まった修学支援新制度の給付型奨学金は、住民税非課税世帯やそれに準ずる世帯が対象です。

自治体が実施する奨学金は、その地域に居住している人が対象。民間団体の奨学金はそれぞれ独自の採用基準があり、大学や学部を指定していることも。大学独自の奨学金は経済的支援を目的にしたものと、成績優秀者向けがあり、首都圏の大学では、1都3県以外の学生を対象にした奨学金もあります。入試の成績や、各学年で優秀な成績を修めた学生に対し、授業料相当額またはその一部を給付する大学もあるので、入学後にも成績を上げれば受給するチャンスはあります。

※ 1 2020年度までの評定平均値のこと。
※ 2 住民税非課税世帯、生活保護受給世帯、社会的養護を必要とする人等は学力基準(学校長の推薦が必要)と家計基準を満たすものとして申し込めます。
※ 3 自宅外通学の人は、自宅通学の月額も選択できます。
※ 4 最高月額。第一種奨学金の最高月額の利用には、第一種・第二種併用貸与の家計基準を満たす必要があります。
注)第一種奨学金と新たな給付型奨学金を併用する場合は、第一種奨学金の貸与月額が減額されることもあります。
Fromスタサプ編集部
スタサプ編集部

JASSOの奨学金は大学なら4年ないし6年間受給できますが、毎年継続の手続きが必要で、所定の単位を修めていないと打ち切られることも。学業に励むことが肝心!

奨学金っていつ受け取れるの?
入学後に振り込まれるものがほとんど
初年度納付金だけは入学前の事前の準備が必要

日本学生支援機構の奨学金は、大学などへ入学した後、所定の手続きを経て毎月一定額ずつ振り込まれます。予約採用の人は1回めの振り込みが5~6月で、以降は毎月決まった日に月額分が振り込まれるので、入学前に必要な初年度納付金には間に合いません。したがって学費も、初年度の分だけは事前に用意が必要。ほかの奨学金も入学後に受け取れるものがほとんど。ただ予約採用型の奨学金では、採用候補者が納める入学手続き時の納付金に、奨学金を充てる大学も一部にあります。

銀行や郵便局
Fromスタサプ編集部
スタサプ編集部

奨学金を学費に充てる場合は、月々受け取るお金を口座にそのまま残しておき、翌年の学費にまわすことが大切です。

奨学金と教育ローンは併用できるの?
併用は可能。ただし教育ローンの使用は最小限に
奨学金は学生、教育ローンは保護者が借りて返す

教育ローンには主に下図のような種類があり、どれも奨学金と併用可。ただし貸与型の奨学金は卒業後に本人が返していくのに対し、教育ローンは保護者が借りて、その保護者が返済していくことになります。ローンは原則として融資を受けた翌月から返済が始まりますが、教育ローンの場合、在学中は元金の支払いを据え置き、利息のみの支払いで済ませることも可能。とはいえ、返済時の負担も考えて、教育ローンを使うなら初年度納付金などの必要最小限にとどめることが重要です。

(2023年 11 月 時点)
貸与型奨学金はどうやって返すの?
卒業後に毎月一定額ずつ返していくのが基本
日本学生支援機構には所得連動型の返還方式も

一般的な借金と異なり、在学中は返還の必要がなく、卒業後に毎月決まった金額を返していきます。日本学生支援機構の場合、卒業半年後から返還スタート。毎月の返還額や返還期間は、在学中の貸与総額などで決まります。月額8万円で4年間利用すると、下図の例では毎月1万6855円(最終回端数調整あり)を20年にわたって返還。日本学生支援機構には所得が減少したら毎月の返還額も減る「所得連動型」もありますが、返還期間が延びる点は要注意。負担を考え、借りる金額は必要最小限に。

※貸与利率は採用年度ごとに異なります。詳しくは日本学生支援機構のホームページでご確認ください。
進学費用、今から準備すれば間に合う?
今、用意できる金額を確認。1年である程度準備可能
毎月の積立とボーナスなどで計画的に貯めていく

進学費用のための貯蓄をしていたり、学資保険に加入していたりと、家庭ごとに状況は異なるので、現時点で用意できる進学資金を調べ、それで足りない場合はどうするかを早めに考えておくことが重要です。

まずは月々の収入とボーナスから積み立てられる金額を考え、1年間でどれだけ貯められるかを計算。用意できている資金と合わせ、最低でも1~2年分の学費は準備したいところです。それでも足りない分は、ほかの貯蓄から取り崩すか、奨学金や教育ローンで補うことを検討します。

契約書
Fromスタサプ編集部
スタサプ編集部

資金が不安なら、条件に合う大学独自の給付型奨学金を探してみては。少しでも給付型をもらえれば、その分、家庭の負担は減少し、安心。各大学のホームページを要チェック!

進学後にバイトをしてほしいけれど、どれくらい稼げるもの?
時給は地域や職種によるが、1100円台
授業後や休日に働いて月数万円が目安

現在自宅外から通う学生の約7割は、生活費などを補うために何らかのアルバイトをしています(※1)。自宅生でも小遣いやサークルなどの活動費はバイトで賄う学生が多いようです。学生のバイトは居酒屋やファストフードなどのフード系とコンビニなどの販売・サービス系が多く、時給は地域や時間帯でも異なりますが、全体の平均額で約1100円台となっています。

平日は授業との兼ね合いで夕方から夜にかけて働く人が多く、休日を含めても週に2~3回、1回当たりの勤務時間は数時間で、月収は3万~6万円程度という学生が大半です。バイトに精を出しすぎて、授業がおろそかになったり、単位を落としたりする学生もいるので、最初からバイト収入に期待しすぎるのも危険です。また最近ではアルバイト従業員に正社員並みの業務や責任を課し、学業や日常生活に深刻な影響を与える「ブラックバイト」が一部で問題になっています。あくまでも学業を最優先したうえで、アルバイト先を選んでいくことが必要です。

※ 1 全国大学生活協同組合連合会「CAMPUS LIFE DATA 2022」(2022 年)より。
※2 2023年7 月度 「 アルバイト・パート募集時平均時給調査」(株式会社リクルート「ジョブズリサーチセンター(JBRC)」)
2023 年11 月時点での情報です。
Fromスタサプ編集部
スタサプ編集部

一人暮らしの場合は特に、学校生活に慣れるまでは仕送り額を多めに考えてあげられると安心です。

一人暮らしだと生活費はどれくらいかかる?
自宅外の学生の生活費は月約12万円
都市部だと住居費も高いから生活は厳しいことも

一人暮らしの学生に必要な生活費は、主に住居費と光熱費、食費のほか、通学費や活動費、書籍の購入費など。最近はスマホなどの通信費も必要ですが、平均すると月約12万円となっています。このうち、仕送りの平均が7万円くらいなので、残りを奨学金とアルバイトで賄っているのが現状。支出の内訳では住居費の占める割合が大きく、平均で約5万3000円。次が食費で約2万4000円です。とはいえ、都市部では住居費が地方より高いので、生活費も高めになりがちで、食費などを節約したり、アルバイトを多めにしている学生も少なくありません。ただし、理系の学生は実験・実習が多くて忙しいので、文系の学生よりアルバイト収入が少ない傾向もみられます。

一人暮らしと学生生活に慣れるまでは、ある程度の時間もかかります。1年めは学業に専念するためにも、保護者として仕送り額を多めに考えておくことが必要かもしれません。

※生活費の内訳は全国大学生活協同組合連合会「CAMPUS LIFE DATA 2022」(2022年)より。
Fromスタサプ編集部
スタサプ編集部

自宅生の生活費は平均5万~6万円で、使いみちは食事代や交通費、教養娯楽費など。自宅生は小遣いとアルバイトで賄う人が多く、大学に入ったら小遣いなしの家庭も。

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