子ども
小学校の図工って何のためにあるの?

ほかの人と違っていてもいい、自分なりの意味や価値を見つけること
図画工作科で学んでいるのは、描いたり作ったりすることを通して、身の回りの全てに「自分のイメージ」を持ち、自分なりの意味や価値をつくりだすことです。例えば、同じとがった形の葉っぱでも、シュッとしていてかっこいいと感じる人もいれば、しなやかで美しいというイメージを持つ人もいます。赤や青はどんなイメージの色だろう? 丸ってどういう価値のある形だろう? 身の回りのあらゆることについて、多くの人が同じように知っている意味ではなく、自分なりの意味や価値を形成していく訓練をするのが、図画工作科なのです。この力は、自分らしい人生を自分の力で作り上げるために、そして、人が幸せになるために必要な力です。もし図画工作科の授業がなかったら、自分とほかの人が「ちゃんと違う」、「違っていていい」と感じる機会が減るのではないでしょうか。

自分のワクワクを探してみましょう
図画工作科で身につける「自分なりのイメージを持ち、意味や価値をつくる力」は、人生をかけて伸ばしていく力です。その力を今からでも伸ばすために、意識できそうなことがあります。私たちは、普段の生活の中でいろいろなものを無限に選択しています。着ていく服、食事で使う器、どの道を通って帰ろうか。そんな時に、効率がいいとか、みんなが良いと言っているから、などで選ぶのではなく、自分の中から湧いてくる理由で選んでみるのはいかがでしょう。なんとなくワクワクする、今日は高いところに行きたい気分だから歩道橋を通ってみよう。好きな色を選ぶのと同じように、自分の気持ちや判断で選択することを楽しんでみてください。そして、「どうしてその選択をしたのか」「何が好ましかったのか」を、自分に問うてみてください。それを積み重ねていくと、世の中のあらゆるものに、自分なりの意味や価値を持つ力が伸びていくはずです。そうすると、生きていくことが面白くなっていくと思います。



