心理学
日常にある実はこれも心理学

心理学でわかる人の「こころ」とは?
心理学で扱う「こころ」は、私たちがふだん「心」と呼んでいる「気持ち」や「考えていること」よりも広く、私たちの行動や反応も含んでいます。心理学では主に人の行動や反応のデータを取り、分析した結果から、人の「こころ」の全体的な傾向を明らかにしようとします。そのため、多くの場合、心理学の知見(わかったこと)は私たち1人1人にそのままあてはまるわけではなく、「そういうことが自分にもあてはまりそうだ」という意味で参考になるものです。
また、意外に思われるかもしれませんが、人の気持ちや考えではなく人の行動や反応に注目するからこそ、心理学の知見(わかったこと)が実際に役に立つ、ということも少なくありません。

座席をわけあう「こころ」を持ってもらうには?
電車でいつも5-6名までしか座らない7人がけの座席シートを、7名全員に利用してもらうにはどうしたらよいでしょうか?
車内アナウンスで乗客に詰めて座るよう呼びかけ、「多くの人が座れる方がよい」という気持ちに訴えるだけでは、あまり効果がありません。ところが、シートにくぼみを付けて間に手すりを2本設置すると(写真参照)、乗客が座りやすい場所を選んで、自然に7人がけが実現します。
このように、人の行動の特徴を調べ、それを環境のデザインに組み込むことが、問題解決に有効となることも多いのです。心理学を学ぶことで、人の気持ちだけでなく、行動を理解し、生活に役立てていく方法を考えることができるようになります。


